ダイナミックフォース と スカイX




トヨタ緊急事態宣言

日本市場のクルマ好きウケを狙ってすでにスタンバイ状態だろうとは思っていたが、いよいよ国内向けカローラシリーズにトヨタ自慢のダイナミックフォースエンジンが搭載された。まずは500台限定のカローラツーリングで262万円だそうで、同じエンジンのRAV4との兼ね合いを考えたら妥当な価格設定・・・おそらくコロナで苦しむ系列販売店への問い合わせを増やす戦略なんだろうけど、エンスー向けのモデルはカタログ販売にしないで瞬時に判断を迫るのが、日本メーカーの定番になりつつあるようだ。

 

内燃機関の魅力

ダイナミックフォースエンジンは、自然吸気で高回転が自慢で、90年代にホンダ、アウディ、BMW、アルファロメオが7000rpm〜9000rpmくらい回るハイチューンユニットでスポーツモデルを作っていた「エンジンを楽しむ」熱狂時代の趣きがある。全く違うアプローチで「エンジンフィール時代」を復興させようとしているMAZDAのスカイアクティブXと双璧をなすエンジンと言っていいかもしれない。エンジン=ターボだと思っている連中には何のことだか全くわからないだろうけど・・・。

 




 

5年前とはアベコベ?

1.2Lターボが用意されているカローラツーリングの特別仕様車に2.0L自然吸気がわざわざ使われる。5年前だったらアベコベと言われてもおかしくない。1.2LターボのVWが時代の最先端で、2L自然吸気にこだわるMAZDAは「頭がおかしい」と散々に批判されていた。今のMAZDAへのよくわからない批判意見の何割かは、5年前の段階でMAZDAは時代遅れ!!と断じてしまったカーメディアが引くに引けない状態で量産されるネガティブなレビューの受け売りだと感じる。

 

どっちが効率がいいの!?

VWがディーゼルとガソリンターボにおける技術革新は望めないとして、電動化へ大きく舵を切ることが発表されている。あれ?世界の最先端はどーした!?5年前の段階でAJAJの自動車ライターであるならば、1.2Lターボと2L自然吸気がほぼ同じ燃費だとした時に、同じ距離を走ったらどちらがCO2排出量が多いのか、堂々とレビューで説明すべきだったけども、福野や沢村といった非AJAJ系の達人クラスのライターでも言及できていなかったんじゃないかと思う。

 

5年前のカーメディアは・・・

同じ重量で同じ距離移動させて同じだけの燃料を消費するのだからさ・・・。1.2Lターボ=2.0L自然吸気となるだろうか!?トヨタのようにどちらにもCVTを使ったとすると、同じ量の燃料を使うわけだからCO2排出量は同じくらいになりそうな気がする。5年前の段階でAJAJライターや輸入車を好む層はこぞって「ターボエンジンの方がコスト高」だと言い切っていた。1.2Lターボ搭載のカローラツーリングは201万円。本当に1.2Lターボが2L自然吸気よりも「コスト高」だとするならば、2L自然吸気で262万円の価格設定には疑問が残る。1.2Lターボが最先端だと言い張るのであれば今回の限定車にも大いに文句をつけるべきじゃないだろうか!?

 




なぜ自然吸気は復活したのか!?

1.2Lターボと2L自然吸気のどちらに「本格的なドライブフィール」が備わっているだろうか!?ダイナミックフォースとスカイアクティブXが相次いで登場した2020年の段階では、もはやいうまでもないのだけど、5年前の段階でも忌憚なく冷静にジャッジすれば2L自然吸気の乗り味は1.2Lクラスのダウンサイジングターボよりも豊かなドライブフィールを提供できていた。MAZDAのエンジニアはその当時から堂々とエンジン技術について研究成果を述べていた。「1.2Lターボは矛盾の塊」だと。

 

「MAZDAは宗教」でごまかすな!!

しかし今も5年前も大して変わらないけど、MAZDA社員のやや個性的な発言は「信ぴょう性に乏しいエキセントリックな理屈」だとして、真に受けないような雰囲気を、AJAJの連中は意図的に生み出していた。何かあれば「MAZDAは宗教」・・・日本の大手メディアなんてどこも同じようなことをやっている。ネット時代だから虚構が暴かれるスピードも段違いなので、もしかしたらあと5年もすれば大手の新聞社は全部潰れている可能性もある。

 

なぜMAZDAの主張は無視される!?

フォードのエコブースト戦略に真っ向から反対してグループを離脱したMAZDAにとっては「何があっても」ダウンサイジングターボは使わない不退転の決意があった。それゆえにMAZDA社員の一方通行のエンジン技術論にはポジショントークでは?という疑念は常につきまとう。AJAJライターが大挙して垂れ流していた「ダウンサイジングターボこそが自動車の未来」という見解を真っ向から否定しているわけだから、軋轢は避けられないし、MAZDAが正しいのだから従え!!と強弁するわけにもいかない。




実用とドライブフィールの「二極化」

トヨタが北米でホンダやヒュンダイ&キアと激しく抗争するために開発された「ダイナミックフォース」が日本にも投入されたことは、MAZDAにとっては販売面の脅威であるけど、エンジン技術論においては頼もしい援軍だ。実用燃費で優位なスカイアクティブDと、ドライブフィールを追求するスカイアクティブXを「両輪」としてラインナップするMAZDAの戦略にシンクロする。実用燃費のTHSと、ドライブフィールのダイナミックフォースをユーザーに選ばせる。今の所はMAZDAとトヨタだけが明確に志向している戦略。

 

ドライブフィールの意味わかってない人が多数

「スカイXよりスカイDの方がインパクトがあった!!」といったヤフコメも見かける。6000rpmクラスのMAZDAの自然吸気ガソリンエンジンでワインディングを気持ちよく走ってみればわかるけど、ディーゼルと違ってガソリンは二枚腰の隠しステージが存在する。MAZDAが自然吸気ガソリンを残そうとする意味は、AJAJライターでもよくわかってないようなレビューを連発しているので、2012年以降にディーゼルに惹かれてMAZDAオーナーになった人には理解不能かもしれない。




 

トヨタとMAZDA「だけ」が突き進む

「MAZDAとトヨタは新しいステージに突入した!!」とAJAJライターがカーメディアでハッキリと定義すべきなんだろうけど、現段階ではドイツブランドの全てを否定してしまう定義などカーメディア編集部が絶対に許可しないだろう。欧州ブランドの自然吸気といえばランボルギーニくらいになった。ホンダや日産も日本市場向けにわざわざエンジンを作り分けるなんてことは考えていないようだ。電動化で押し切る戦略なんだろうけど、レジェンド、アコードやスカイライン、フーガの後継モデルは日本市場では幽霊!?

 

MAZDAの急所を突く

「カローラにもダイナミックフォースを!!」ってのはトヨタ党のエンスーの総意だろうけど、むしろ反響はMAZDA党の人々の間で広がりそうだ。日本市場サイズにまとめられたワゴンボデーに、ドライブフィール優先のエンジンに抑えられた車両重量・・・本来ならMAZDAが得意そうなモデル。MAZDAの2.0Lガソリンと2.5Lガソリンの中間くらいの出力で、スカイXとほぼ同等。289万円のMAZDA6ワゴン(2LスカイG)では、パワーウエイトレシオで遅れをとっているし、2.5LのMAZDA6ワゴンは363万円のLパケのみ。

 

MAZDAが残す切り札は・・・

MAZDA3の2LスカイGは251万円。ボデータイプとエンジンスペックを考えても2Lダイナミックフォース搭載のカローラツーリングのコスパは相当に良いのがわかる。319万円のスカイX搭載MAZDA3も価格面では白旗。MAZDA3の北米モデル(2.5LスカイG・186ps)を、北米の21,500米ドルとあまり変わらない価格帯(262万円!?)で日本市場に緊急投入すればコロナ窮地のMAZDAディーラーにとっては、クルマ好きの注目を集めるカンフル剤になりそうだ。どうせ売れ残っているのだから・・・。