シトロエンe-C4
フランスの本気
工業製品のデザインは、中国、韓国、アメリカの非欧州3国で争われるようになって久しく、自動車デザインは日本の某メーカーが世界をリードする存在になりつつある。文化的ポリシーの塊であるフランスが、この状況を黙って見ているわけもなく、ルノー日産、PSA共に精力的な新型モデルの投入と、「CASE」到来によって不回避なグローバル規模の業界再編を主導して活発な動きを見せている。AJAJの馬鹿レビューを読んでいると、「フランスは二流」みたいな空気が今だにプンプンするけど、欧州市場でも中国市場でもルノー日産によってVW、トヨタの2大巨頭を叩き潰されつつある。
欧州メーカーがEVに見る夢
AJAJの馬鹿レビューには絶対に書かれることはないだろうけど、VW、ルノー日産、PSAといった欧州大手が使う横置きプラットフォームのほとんどにはリアデフが存在せず、AWD化には電動で対応している。これは2000年頃の日本メーカーの「リッターカー」の設計を大筋でコピーしたからに他ならない。つまり現代の低グレードな欧州車(1000万円以下)が、スバルやマツダの歴史ある前後デフAWDを装備した「ガチ」モデルに、走行性能で対抗するのは不可能に近い(ホンダのNSXやレジェンドのようなSH-AWDを使った電動AWDならその限りではないけど)。
米国に返り咲く!?
それならばいっそのこと全駆動を電動化してしまえばいいじゃん!!これが欧州車の七難を隠す・・・ってのが欧州メーカーの技術畑における「EV化」推進の原動力になっている。スバルやマツダなどの日本の中堅メーカーが地域を問わずに需要があるのは、AWD技術やミッション開発の先駆的な存在であるからだけど、EV化が進めばその優位を打破することができる。いくつもの欧州メーカーが北米で大躍進したスバルの「二匹目のドジョウ」を狙っている。