GA-Lナロー、N、新型N
センチュリーセダン、クラウンセダン、レクサスISで使われる縦置きシャシー(FRシャシー)は、前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にマルチリンクが配置される。日産スカイライン、フェアレディZ、MAZDA・CX-60、CX-80、ロードスターが同じ分類になる。日産やMAZDAは6気筒エンジンを搭載する高級モデルや、スポーティなドライバーズカーを意図しての設計であるが、クラウンセダンとレクサスISは直4のHEV専用車となっている。
ちょっと驚きなのが2018年に登場した現行のセンチュリーセダンには、2017年登場のGA-Lワイドではなく、先代レクサスLSなどに使われていたNプラットフォームが採用されていることだ。レクサスのブランディングに悩んでいた時期でもあり、レクサスとトヨタのクルマの設計の違いを明確にするためなどの理由で、GA-Lワイドはレクサス専用となっている。後から登場したミライ(二代目)、クラウンセダンもわざわざGA-Lナローと呼称している。
レクサスISは2010年頃に設計された新型Nプラットフォームの最後の生き残りとなっている。GS、IS、RCに採用され、V8、V6、直4ターボなどグランドツアラー向けユニットと組み合わされたが、現行ISは直4HEVだけとなってしまい、プレミアム買い物カーになった感がある。2025年でレクサスRCが販売終了となる。サラリーマンでも背伸び(残クレなど)すれば新車で買える貴重な国産GTクーペだったが、レクサスLCが登場してから影が薄くなってしまった。
レクサスISやRCのV6モデルは高級スポーツセダン(クーペ)として理想的なスペック(318ps / 6600rpm)だったが、実際に乗ってみると予想以上に上品かつ重厚な乗り味でスポーティというよりも高級車の印象が強い。BMW3シリーズやスカイラインと比べると、V6NAの穏やかでジェントル(静か)なフィールは独特だ。残念なことにトヨタは現行モデルのFRシャシーのロードカーに関しては順次廃止が決まっているようで、レクサスLCの後継モデルに関しては、どこかの協業メーカーと合同で開発するという噂もある。