ゴルフの変化を味わう
1.0Lターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたユニットのゴルフは、走行性能は必要十分といったところで、積極的に選びたいものではないかもしれないけども、それでもこのゴルフには日本メーカーが重要視しない部分への作り込みに手が入っていることをあちこちで感じることができる。それはしばしMAZDA車やスバル車を好んで選ぶ感触に近いものだけど、その設計の意義を1つ1つ考えていくのが趣味な人には非常に楽しい車だと言える。なぜハンドルがこんなにクイックになったのか!?なぜグレードによってリアサスの形状が違うのか!?なぜ2種類のDCTを使い分けるのか!?などなど・・・。
Cセグは単純ではない
VWゴルフも欧州、中国、北米市場で、カローラ、シビック、MAZDA3などと競争を繰り広げているわけなので、ドイツメーカーだから日本メーカーよりも優れたものが作れるなんて単純な話にはならない。同じくらいのコストの範囲内で、どんなCセグメントハッチバックを作りたいかは、各メーカーの開発者の見識によるところが大きいと思う。トヨタTHSとVWのダウンサイジングターボには一長一短で特徴があるし、本当のクルマ好きならば、それぞれのクルマの設計の工夫について考えて、肯定的な見解を出すことは可能なはず。本体価格が300万円前後にも達しているCセグは、まだまだ十分に肯定できる「余地」がたくさん残されている。