最高の日本メーカーを考える・その2

執念の結実

4世代目となったヤリスが2019年に発売された。日本市場でも車名がヤリスに変わり、搭載エンジンも1.5L直3となり、グローバルのど真ん中なスペックを行っていて、ちょっと車格が上がったような気がしないでもない。1997年に始まったTHSの歴史と1999年の環境との両立を目指したリッターカーの歴史が、20年経過して1つに統合された。統合そのものは2010年頃に登場した初代アクアで実現していたが、THSの孤独な戦いの結実と、歴代ヴィッツが目指してきた軽快な走りが、融合したという意味で「大団円」を迎えたと言っていいかもしれない。

アイディアを具現化する力

ちょっと前にメルセデスCLAが日本市場でもスマッシュヒットし、トヨタのカリーナED(1985〜1998)がかなり時代を先取りしていたと話題になった。今では世界の常識となりつつある「横置き&モノコックシャシーのSUV」の元祖はプリウスと並んで1997年に登場したハリアーだった。トヨタのやる事は同時代的にはあまりカッコよくは見えない。それでも何らかの理屈に基づく優れた「合理性」を重視して新しい設計が生み出され、業界トップレベルの品質管理基準によって、設計&企画という意味でのクルマの完成度が鍛えられていく。その「プロセス」にこそトヨタの本当の価値が宿っていると思う。




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