藤原清志は全てを見抜いていた!?
EUにしろ中国にしろ「日本からの輸出」を前提としたビジネスモデルには、今後もさらに高いハードルを課してくるだろう。従来から中国市場は当局に認められた「高級車」でないと国外から持ち込むことはできない。日産スカイラインは高級車認定だが、Eクラスや5シリーズは許可が下りておらず、全量が中国国内での生産となっている。防府工場に上級ラインナップの生産を一元化する予定のMAZDAはなんとしても「高級車認定」を取らなければならない。
あらゆる批判に耐える
防府生産にこだわる本当の理由は部外者にはわからない。地元に支えられてこそのMAZDAであるから、やはりトヨタと同じで安易に現地生産を推し進めることが難しいのは間違いない。上級シャシーモデルを合計で15万台生産する予定だから、キャパ的にグローバル全体の需要を1工場で全てを賄うしかない。防府で作る為に「高級化」するのは苦渋の判断だ。しかし一部のカーメディアは盛んに「新型モデル」は一部の経営陣の「自尊心」「エゴ」でしかないと、心ない言葉(的外れ?)で批判を繰り返している。MAZDAは株主説明会などで経営方針を懇切丁寧に語っていて素人でもある程度の事情はわかるのだけど、なぜか一般メディアもカーメディアもMAZDAの抱える「ジレンマ」を正しく報道できていない。