トヨタらしさを求めて
先日親戚のおじさん(73歳)と久しぶりに会って話をしたが、クルマへの情熱は止まないようだ。現在の愛車はスバル・インプレッサスポーツの2Lモデルで、購入の動機はアイサイトが日本市場で最初に自動ブレーキとして導入され2Lモデルに採用されたからというのもあるようだけど、水平対抗エンジンで縦置きなどよく知っていて、半世紀ものカーライフを経てもなおクルマの設計へのこだわりは全く冷めないようだ。
2000年頃に自動車業界のM&Aが活発になり、様々なメーカーが共通のシャシーを使う。昨今でもルノー日産グループに三菱が加入したり、欧州のステランティス・グループは、プジョー、シトロエン、オペル、アルファロメオ、フィアットが属す大所帯だったりで、今後に開発されるエンジン車やBEV車は積極的に共通設計が使われると思われる。経営が安定し高機能なクルマを低価格で供給するためには必要な処置とはいえ、各メーカーに個性を求めるユーザーにとっては物足りない部分もある。
デザイン激変の謎
EVシフトの中でトヨタが火だるまになりながらも、新型となる5代目プリウスを完成させた。当初は突然変異を思わせるようなエクステリアの進化を感じたけども、フロントとリアのサイズ感など間違いなくプリウスのスタイリングは守られている。新興国のメーカーはともかく、日本、ドイツなどの他の老舗メーカーではまず出てこない「トヨタ」らしいデザインになっている。
30型ソアラ(3代目)、80型スープラ(4代目)、230型セリカ(最終型)、ヴェロッサなど1990〜2002年くらいまでは、トヨタらしさ全開のカッコいいデザインのロードカーがいくつもあった(トヨタ確変デザイン)。豊田章男社長の意図する1900〜2002年のトヨタ黄金期への回帰を、開発陣やデザイナーも十分に理解しているようで、昨今のトヨタ車はデザインのクセが強い。