スバルとMAZDA
スバルやMAZDAのユーザーには「自動車」という自己完結な趣味を持つ人が多い。そして開発者や経営陣も、そんなユーザーのために、スポーツカーやグランドツアラーの枠を外れないようなクルマばかりを作っている。MAZDAのMX-30というモデルは、ラインナップの主流とは異なる角度から開発されたけども、ユーティリティ要素の目立った追加もなく、幅広い人が快適でスタイリッシュにドライビングを楽しむクルマでしかなかった。
ユーティリティの要素は軽自動車メーカーが考えることだ。そんな先入観が軽自動車を作らないスバル、MAZDAにありそうだ。同じくトヨタも軽自動車開発はしていないが、トヨタはユーティリティの価値がよくわかっている。そして同じく軽自動車を作らないプジョーが日本市場でリフターを大ヒットさせた。輸入ブランドだから成功できたという見方もあるけど、スバルやMAZDAもプジョーに負けないブランド力は備わっている。
セダンが売れない理由は・・・
レヴォーグやCX-5は、プライベートな時間や様々な趣味の時間のクオリティを上げたい人々によって支持を得た。それに対してWRX・S4やMAZDA3のようなクルマ単体の趣味に寄り添うモデルは、圧倒的な走行性能こそ誇るものの、実際はそんなに多くの台数が出ていない。ユーティリティの乏しさもあるだろうけど、他の趣味との親和性が低いのだと思う。
10年以上前からセダンが売れなくなったと言われる。セダンタイプの乗用車を愛でる趣味でもない限り、選ぶ理由は少なくなってきている。クルマ単体の趣味の人にとってはリフターのようなピープルムーバーも、広く売れているSUVも興味を抱く対象ではないだろうし、セダンの衰退に心を痛めていたりする。しかし他の様々な趣味の人々は、セダンではQOLは向上しないとすでに悟っている。