ロードスターに似ている?
1989年の販売開始から4世代にわたって継続して生産されMAZDAの象徴とも言えるスポーツカーのロードスターは、MAZDAの中で車名が最も長く続いているモデルとなっている。誰でも知っているクルマということもあって、「CX-3にはロードスターのスピリッツを感じる」、「CX-60はSUVのロードスター」などといった、安易な表現が様々なMAZDA車のレビューで登場する。
実際にMAZDAのクルマ作りは全てロードスターを基本にしていると、本気で思っている人は結構多いのかもしれない。1000kg程度の軽量ボデーと、2400mm以下を目安にした古典的なホイールベースを骨格としたクルマなのだから、たとえ一番近似するMAZDA2も、ホイールベースの差(2310mmと2570mm)は明確に違いがあって、実際の乗り味に明確な共通点は見つけづらい。
T社との比較に意味はあるのか?
この安易な表現を使う人々の意図としては、他の日本車(T社など)の同型モデルと比べたら相当にスポーティな味付けであることを端的に伝えるために「ロードスターっぽい」と表現するのだろうけど、他の日本車を考慮に入れる必要がそもそもないと思う。全く感動もない乗り味が特徴のT社のクルマは、なんとかユーザーを惹きつけるために、意図的に長い納期を設定したりしている。言わばロレックスの時計やサントリーのウイスキーみたいな販売手法だ。
実際のところT社のユーザーが、クルマの良さをアピールするレビューを見ても具体性に乏しくて、希少さをアピールしてユーザーの判断能力を鈍らせるマーケティングの餌食になっていて、単なる「確証バイアス」にすら思える。Lブランドが2023年頃から販売を増やしているけど、ブランド内の販売トップを独走するミドルSUVのモデルは、初代こそ大コケしたけど、二代目はエンジン、ミッション、スタイリング諸々などCX-5を真似して大人気になっている。