バイクっぽいSUVって・・・
ロードスターあってこそのMAZDAなんだろうけども、このクルマは使い勝手などを考えると、その実用性はほぼバイクに近い存在だ。ホンダやBMWならばスポーツバイクでも世界的に知られているので、小型エンジンで軽快に走るだけの実用性しか持たないスポーツカーをわざわざプロパー化する動機は高まらないのかもしれない。
高齢者でも比較的に安心してスポーティな走りが楽しめるバイク代わりの存在であるロードスターが、これからもMAZDAのクルマ作りやブランディングの中心であり続ける限り、MAZDAのあらゆる個性的な乗り味のモデルには、「大義名分」が成り立ってしまう。クリックなハンドリングと、レスポンスに優れる挙動を生み出すためのセッティングは、歴代のMAZDA車に見られる個性だ。CX-60は話題性が高過ぎたために賛否が紛糾してしまった、この乗り味は今に始まったことではない。
テストドライバーが真逆の仕事をする
T社のテストドライバーの本に書いてあるけども、T社では「ドライビングフィール」を高める方向の味付けは、NVHなど様々な問題を引き起こすケースが多いので、意図的にマイルドな味付けにしているらしい。テストドライバーは納得していないけど、会社の意向を尊重して仕事していると断言されている。CVTも、剛性感に乏しいドアの開閉音も、一部のクルマ好きには不評だとわかっているけども、NVHを誘発するようなゴリゴリした乗り味にしないことを最優先している。
ロードスター基準のゴリゴリしたフィールと比較すれば、CX-60のNVHはほとんど問題にはならない。他のMAZDA車からの乗り換え、あるいはBMWやメルセデスからの乗り換えであっても、むしろCX-60へ不満は少ないだろう。しかしRンクルPラド、Aルファード、CラウンCロスオーバーなどのT社モデルも視野に入れているタイプのユーザーからは露骨に不満が来ることもよくわかる。