価格上昇分の価値はある
2020年代から日本メーカーは、より付加価値の高いクルマ作りに注力し、「低燃費スポーツ・ツアラー」という新しいジャンルを形成しつつある。従来の高性能車は、公道で使う加速限界に達しているが、それと引き換えにV8、V6のターボを搭載したモデルでは、モード燃費で10km/Lを下回るなんてこともザラにある。しかし技術の進歩によって、ガソリン代を気にせずに走り回れる燃費と圧倒的な加速性能が両立したモデルがどんどん増えている。
実燃費で17km/Lくらい出せる「低燃費スポーツツアラー」からベスト10を選んでみた。今回の項目は「加速」「燃費」「入門者」「玄人志向」「QOL」の5つで、「加速」「燃費」は客観的な数字をもとにしていて、「入門者」「玄人志向」「QOL」は選者(ブログ主)の主観的なものになることはご了承いただきたい。
自動車業界の進化は止まらない
「入門者」は、免許取って直ぐの頃だった時を思い返しながら、その時の基準で優先度が高いクルマが高得点になっている。一方で「玄人志向」は、免許取得後から20年以上が経過している現在の価値観で配点している。「QOL」(クオリティ・オブ・ライフ)に関しては、ボデータイプやサイズなども考慮して、より多くの人のカーライフを充実させるであろうモデルが高得点になる。
先に言ってしまうと、10台は全て日本メーカー車で、8台はストロングHEVで、2台はディーゼル車である。「HEVもディーゼルも邪道だ」まだまだコアなクルマ好きからは偏見もあるだろう。また現行ではHEVおよびディーゼルとMTを組み合わせるような趣味的ユニットも存在しない。MTが無くても「スポーツ・ツアラー」としての普遍的な価値は十分に提供されている。選んだ後の感想ではあるが、依然として日本メーカー車の圧倒的な競争力は健在で、世界はただただ戦慄し、貿易摩擦が再燃するのも仕方ないことだろう。