ちょっとばかり「ずうずうしい話」ですけども、アルファロメオの新型モデルが比較的に手頃な値段で手に入るようになったらうれしいなーという話です。いよいよ北米に悲願の再上陸を果たすアルファロメオ。もっともすでにジュリエッタをベースにしたダッジ・ダートやクライスラー200がずっと前から販売されていますし、せっせとイタリアからアメリカへ輸出していたわけで、いよいよ「アルファロメオ」のバッジの付いたモデルを発売しますよ!!ってことなんですが。
もちろん新型モデルとはジュリアです。北米での価格もすでに年末に発表されていて280psの2Lターボが38000USドル〜(450万円)だそうで、ちなみにBMW320i(180ps)が33450USドル〜なので、性能差を考えたら3erとほぼ互角の価格設定といって良さそうです。この北米価格を前提とすると、同じグレードが日本に導入されたら500万円を越えることはほぼ確定なんです。しかしアルファロメオは日本向けに右ハンドルで2Lで200ps前後のブーストアップにとどめたモデルを用意しているとか。これならばもう少しは価格が抑えられるはず。是非とも300万円台で販売してほしい!!そして大してこだわりもなくなっているくせに価格だけは400万円に届いてしまっている日本のDセグセダンの現状に一石を投じてもらいたい!!ジュリアじゃなくてGMグループのシボレー・カマロで実現していいけど。
ちょっと前に流れた「FCAジャパンは400万円を下回る価格で考えている!!」という日本価格に関するウワサの真偽はいかに・・・。ジュリアの投入に関しては日本よりも北米を優先したようです。北米向けのベースモデルは直4ターボで280ps。日本よりもアメリカの方が勝機がある(利益を出せる可能性が高い)!!という判断は、「トランプ以前」の決定だと思いますけども、ジュリアは最初から北米へのアルファロメオ再上陸の「切り札」としてしか考えられてないようです。
北米では直4ガソリンターボを積んだ、C/Dセグの4ドアスポーツセダンが新たなブームになっているようで、北米7大グループのうち日産、ホンダ、ヒュンダイ、フォードがCセグを大型化して、DセグのBMW3erに匹敵する大きめな車体に、320i(180ps)を超える性能のターボエンジンを組み合わせています。7大グループに続くスバル、VWは早くから直4ターボモデルを投入していましたし、アウディA3セダン、メルセデスCLA250、BMW240i(直6ターボのみ)も30000ドル程度で導入されていて、大衆ブランドの高性能版(シビックSiなど)と互角の価格設定になっています。トヨタとマツダは1.5〜2Lのガソリンターボを用意しない「逆張り戦略」を貫いています。
アルファロメオが属するFCAグループは、傘下のダッジからジュリエッタのセダン版(4800mmもある)「ダート」と、本体のクライスラーから「200」。同じく傘下のジープからジュリエッタのSUV版である「チェロキー」を発売しています。すでに北米で復活しているアルファロメオですが、公式HPに出てくるモデルは現状では3車種で、「ジュリア」「ステルビオ」「4C」です。セダン、SUV、ピュアスポーツという売れ筋3車種でいずれもRWDベースのモデルです。日本で展開されているFWDのジュリエッタの安売りによる拡販は考えていないようで、38000ドル〜という強気なブランドの価格設定は、ダッジとマセラティの間を埋める「大人なプレミアム」です。
日本ではジュリアの発売は確定しているようですが、現状では「ミト」「ジュリエッタ」「4C」の3モデル展開で、ミトが330万円、ジュリエッタが377万円、4Cが850万円となっています。1750TBという240ps出すショートストローク直4ターボが積まれた「4C」と「ジュリエッタ・ヴェローチェ(425万円)なら適正価格と言えそうですが、1.4Lマルチエアの135ps、170psの過給分けが載るだけベースモデルはちょっとオススメできないですねー。
さてきになるのが、ジュリエッタで375万円だとすると、ジュリアのベース車は少なくとも420万円くらいになりそうです。ミト330万円もそうですが、スポーツブランドなはずのアルファロメオの客層は、街中のユーザーを観察する限りでは、アルファロメオをイタリア版の「光岡」かなんかと勘違いる人が多そうです。マーチやカローラをベースに独特のエクステリアを配して250万円(ベース車+100万円)くらいで売るのが光岡のビジネスモデルですが、ベースのフィアットパンダの日本価格が220万円くらいですから、ちょうど+100万円くらいでミトが作られています。ポロとアウディA1みたいな関係だと「兄弟車」であることがバレバレでせいぜい+50万円ですが、ここまで派手に造形すると+100万円なんですね。
ジュリアも全くの新型シャシーというわけではなくて、ちょっと前に発売されて日本でも900万円〜から販売されているマセラティ・ギブリの設計を使っています。こちらも全長やホイールベースなどかなり違うのでとても「兄弟車」には見えないです。北米価格も38000ドルと71500ドルで2倍近い開きがあります。北米でのジュリアとギブリの価格差(割合)を考えると、ジュリア(ベースモデル)の価格は500万円くらいが妥当な線かも。だけど500万円超えるようだとインパクトは無いですね・・・FCAジャパンの悩みどころです。しかしパンダの改造車が330万円でギブリの改造車が430万円(だとしたら)。クルマの原価って何?って感じでもありますが・・・。
↓徳大寺さんみたいに輸入ブランドを雄弁に語るライターが少なくなりましたねー。