プジョーを見れば世界の自動車がわかる!!

今年になってGMからオペルを買収したPSAグループの中核ブランドであるプジョー。リーマンショックにギリシャのデフォルトなど、欧州経済の停滞が鮮明だった2010年頃には、フィアットグループやボルボなどとともに「いよいよゲームオーバーか!?」と囁かれましたが、フィアットのCEOには銀行出身者が就任して再建が図られ、PSAとボルボには中国マネーが降り注ぎました。『ボルボは中国車www』とか、「ホッピー」なオッサン達が偏見をばらまいていますけど、そんな人に限ってアフリカで車体を作って、中国で内装を仕上げ、韓国製ランフラットを履く某ドイツメーカー車を絶賛していたりしてちょっと苦笑い・・・。

本来オッサンってのは社会の中で最もモノの価値をよくわかっている人だと思うんです。江戸時代、明治時代からそれはおそらく社会の基盤とも言える美徳だったはず。それがいつしか中国製の本革シートや東レの合成繊維である『アルカンタラ』素材を、そういうものとは知らずに『高級』だと喜んでいるおめでたい人々が増えてるんですよ。オッサン向けの高額ファッションアイテムのカタログのようなクソ雑誌を見て、その情報を鵜呑みにしていたらそりゃわけわかんないこと言い出し始めるよなー。

クルマ好きが男性誌『GQ』などを読んでると、しばしば変なこと書いてるなーって気がつきます。『ポルシェ・パナメーラ・世界最速のラグジュアリーセダン』と普通に出てきますからねー。新型パナメーラは0-100km/hのタイムも最高速度も、既存の高性能セダンに劣っています。ホンダ・レジェンドといい勝負くらい。とにかく性能の割には徹底的にエコで日常でも使いやすいのが売りなのに(あとデザインはいいですね)。新型レクサスLSよりもお買い得な気がします。

↓GQによる動画

さてプジョーですが、2010年以降に登場した新型モデルがなかなか国際色豊かになっています。一目見ただけで『プジョーだな』とわかるアイコニックなモデルはいつのまにか消えてしまいした(RCZとか)。日本ではプジョーらしさを求めるユーザーからの指名買いで成り立っていたのに、出てくるモデルが次から次へと、ちょっと言葉が悪いですが、「デジャブ感」満載のコピー車ばかりだなー。簡単にまとめると、

『108』トヨタ・アイゴと共通設計。

『208』WCOTYと獲った3代目マツダデミオのスタイルを踏襲。

『308』VWゴルフを寸法からコピー。見た目も間違えそうなくらい。

『508』セダンもワゴンもVWパサートにそっくりです。

『2008』欧州でジュークとともにムーブメントを起こした初代スズキSX4(フィアットにもOEM)を再現!!

『3008』欧州で大ヒットした日産キャッシュカイ(エクストレイル)のコンセプトをカバー!!現行のスズキエスクードにも似ている!?

『5008』3列シート版のキャッシュカイをコピー。

『ビッパー・ティーピー』ルノーカングーに対抗したオシャレ商用車コンセプト。欧州専売モデル。

『トラベラー』トヨタと共同開発。つまり世界で大人気過ぎて盗難ランキング断トツ1位のハイエース。欧州専売モデル。

『ION』三菱アイミーブのOEM。ブランド唯一のEV。欧州専売モデル。

『4008』三菱RVRのOEM。ブランド唯一のAWD。欧州専売モデル。

見事に欧州で評価の高いクルマばかり選ばれてますねー。ここまで徹底して『商品力』の高いモデルばかりをコピーし続けることで、発売したものの「予想外に売れない」というリスクをヘッジしているようです。ポルシェやマセラティなど付加価値が高いブランドのラグジュアリー車をパクったら知的財産権の侵害なんだろうけども、どこのブランドも割と似たり寄ったりになる大衆モデルだったら何の問題もないですしね。

もちろん色々な意見はあると思います。世界最古のGTカーレースを制したプジョーの名が泣いている!?しかし当時のプジョーのクルマはダイムラーのエンジンをそのまま積んでようですから、広く世界から『いいもの』を吸収して使う!!というのが、プジョーのアイデンティティには組み込まれているのかもしれません。

先日発売されたニューモデルマガジンXでも、日本での飛躍が期待される新型3008が、例の覆面座談会で散々に「俺たちが知ってるプジョーではない!!」「さようならプジョー」とか言われてましたね。ロクにクルマも語れない癖に、最近のクルマを否定する悪しき習慣を自制・コントロールができないのだなーと笑い飛ばすこともできますけども、彼らにそう言及させるくらいにプジョー・ブランドは相当にストイックな経営をしているのも間違いないです。

そもそも彼らが意味不明にゴリ推しする某ドイツブランドや、あるいはトヨタ、ヒュンダイなど巨大グループへの飛躍の鍵は、他社の良い点を徹底的にパクれなんですけどね。プジョーに『さようなら』を宣言する前に、ヴォルフスブルクに『さようなら!!』だろーが!!フォード・フォーカス(マツダ)や、スズキの基本設計を使って作られている製品ばかりなのに、『世界をリードする』とか・・・毎度毎度バカ言ってるのが覆面座談会です。

さてプジョーが属するPSAからは3008、C3、5008と、日本メーカーよりも活発に新型モデルが投入されていて、スピード感を感じます。トヨタ的なパクリのプジョーと、(同じプラットフォームを使いつつも)ホンダ的なオリジナリティを強烈に発揮するシトロエンの『補完的』な関係はこれまでにないグループ戦略になっていることにも気がつきます。気が付いたら購入候補車に複数のPSA車!!なんてことになってないですか!?

 

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↓ザ欧州車って感じの存在感が良かったのになー。後継モデルを期待したい。

200万円 と 2000万円 で下げ止まる自動車価格

新車価格の話です。200万円と2000万円。だいたい日本で売られている全ての日本車&輸入車はこの2つの価格に今後収束していくんじゃないかな!?と思っています。非常に大雑把な話ですけども、だいたい実用的な車を仕立てて売るとなると、需要供給のバランスが取れるのは200万円になるのかなー(平均的な所得の人々の感覚だと)。それに対してメーカーが持てる技術を注ぎ込んで作り上げたハイテクマシンを市販車としてまとめた場合はだいたい2000万円くらいになるんじゃないですか。それ以外の価格の車は・・・ノーコメント。ただし200万円くらいの価値しか発揮できないクルマを700万円で売れば、中古価格はすぐに200万円以下になりますが、5年経って200万円を維持できるクルマがそんなに多くないです。

クラウンもメルセデスのサルーンも本質的には200万円の域から脱していない?というより200万円のクルマで代替可能になってきている。差別化できないからどんどんユーザーが200万円前後の方へ吸い寄せられてしまうというなかなか深刻な状況です。200万円基準のクルマの価格をどれだけ高くできるか?もし1500万円くらいまで引き上げてそれがヒットしたならこれはすごいことです。しかし現実はBMW・M4やアウディRS4くらいの知名度があってもヒットには程遠い・・・なんでだろうか!?それは本質的には200万円のクルマと同じという意味をユーザーが薄々は理解しているからだと思うんですよ。

同じような現象が2000万円前後でも起きていて、この辺りの価格帯にはコスパがいい!!と売り上げ絶好調なモデルもあります。アストンマーティンV8ヴァンテージ、フェラーリ・カリフォルニアT、マクラーレン540C、ホンダNSX・・・これにウラカンRWDとアストンマーティンDB11V8が加わることになりそうです。選ばれしイタリア、イギリス、日本の3カ国のメーカーだけが作れる『優雅』な創造の世界。ドイツ、韓国、アメリカのメーカーには無いスーパーカー文化・・・いやいやもうスーパーカーとかいうバブル期の用語はもう完全に通用しなくなったかも。『嘘』がいくらでも通用したのがバブル期です。スーパーカーという『嘘にまみれた存在』は現代には存在しない・・・もしあるとしたら日本で売っているゴルフとか言う『今も排ガスで偽善を行なっている』クルマがスーパーカーかも。

『200万円と2000万円』もちろんこれは一つの「考え方」に過ぎないです。しかしクルマの本質を見失わずに価値を見極めるためには、これくらい強烈な「概念」があった方がいいと思うんです。数年前にアストンマーティンがトヨタのiQというマイクロカーを全面的に改装して「キャビネット」とかいう名前で400万円くらいで売ってた(アストンマーティンのオーナーしか買えないクルマでしたが)。1.3Lのコンパクトカーに400万円って結構イカれてると思いましたが、最新のアウディのコンパクトSUVも1.4Lで400万円超えてたっけな・・・。落ち着いて考えると『検討に値しない』ようなクルマがまだまだ結構たくさんある。

マツダみたいにお尻に火がついているメーカーは、200万円スレスレのところに『リアル』なクルマを放り込んでくるしか無いようで、欧州で話題になっている『CX3・20S』を210万円で投入してきました。今のマツダは全く余裕がなさそうです。いよいよマツダも終わりか。世間ではここ数年のマツダの高価格路線が自らの首を絞めているとか言われてますが、まだまだ400万円を超えるグレードなどはごくごく僅かで、現実は200万円からほとんど乖離できていないです。これで価格が上がり過ぎとか言われるのは辛いですね。CX5が300万円を超えていても妥当な価格だと思いますし、決して『コスパ』が悪いわけではない。おそらく昔との比較でそう批判している老害が多いようですね。マツダの昔を知っている世代がことごとく死に絶えたら、もっと正当に評価されて良さそうです。

好調だと報じられるスバルも似たようなもので、400万円はまだまだ高いハードルです。実際のところマツダとスバルこそが200万円から最も大きく乖離できるポテンシャルがあると思うんですけど、世間の評価はまだまだクラウンやスカイラインよりも高価な一般モデルは受け付けないだろーな。VWゴルフなども200万円にかなり張り付いた価格になってきました。プジョーもシトロエンも。そして向かうところ敵なしのMINIでも200万円からなかなか離れることができません。

もしスバルやマツダが2000万円基準のクルマを作ったらどうなるのか!?開発費の回収すらできずに単体でのセールスは赤字になるでしょうけども、全く流通しないということはないと思います。フォードが『フォードGT』をV6 エンジン(ツインエコブースト656ps!!)で作りましたが、スバルやマツダが持てる力を全て注ぎ込んで700ps級を作ったら、世界限定500台くらいなら十分に捌けるんじゃないかと・・・。スバルもマツダも中堅規模ながら世界市場をリードする製品力を発揮して生き残ってきたわけです。おそらくフォードと同等かそれ以上のクルマを作ることは技術的には可能なはず。ただしそれを行う『意義』が十分ではないんでしょうね。

『200万円と2000万円』の二極化がより顕在化すれば、世界の市場はどうなるか!? 200万円基準の競争はとんでもなく過酷なものになるでしょう。日本製造、欧州製造がまだまだ喜ばれるとは思いますが、200万円車を世界に大量に投下し続けるトヨタ、VW、GM、フォード、ルノー日産、フィアットクライスラー、ヒュンダイキアの『G7』の圧力の前に、絶えず経営は不安定になるはず。「自分こそは2000万円車がふさわしい!!」と気がつく人々が必死になってお金をクルマに投入するようになるならば、想像を超えたパダダイムの変化が起こるかもしれません。スバルやマツダにとっても一考の価値がありそうだと思うのですが。

 

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