クラウンと63年の歴史
いよいよ6月に15代目となる新型クラウンが発売されるらしい。1955年つまり自由民主党の成立とともにその歩みをはじめ60年以上の歴史を誇ります。1964年発売の『クラウンエイト』と呼ばれる上級派生車が登場しますが東京オリンピックの時代にすでに車幅1845mmはすごいです。日本車として初めてV8エンジンを搭載。パワーシートなどもついていたらしい。これがのちのセンチュリーになるんだとか。
名車の条件
クラウンシリーズは60年以上に渡って日本で活躍し、常に日本車のレベルを示してきたわけですが、昨今の日本車は市場にニーズに過敏に反応してボデーを変えて車名を変えてその場しのぎのトレンドで売るクルマが実に多い。クラウンのようにメーカーが持つ技術を示す基幹モデルとして「普遍的な」コンセプトを長い年月追求するクルマが少なくなってしまった。他社が作ったトレンドに乗っかるだけのクルマなんてさ、それは名車などではないっす。本当にクルマが好きな人にずっと乗り続けていきたいと思わせた結果、長く日本市場から世界へと実力を発信し続けているモデル5台を選びました。ちなみに今や北米車と化しているスカイラインや、日本車のレベルが高すぎるクロカンは除きました。
第5位 マツダ・カペラ / アテンザ
欧州を貫いた魅惑のミドルサルーン
日本でロータリーを積んで70年代に登場したカペラの系譜を受け継ぐミドルセダンです。動画のようにドイツでも中国でも大人気。常に開発拠点は日本に置かれていて、日本での発売を前提とするモデルであり、それでいて世界を熱狂させてきました。ドイツ人も楽しそうにBMWとドラッグレースしてます。C/Dセグメントで欧州市場を認めさせた4つの日本車モデルのうち、プレリュード、プリメーラはすでに廃止で、アベンシスは欧州市場で開発されているモデルなので、純粋に生き残っている日本のシリーズはこのカペラ/アテンザだけ。間違いなく日本が誇るべきミドルサルーンだと思います。
第4位 マツダ・ファミリア / アクセラ
マツダの全てを体現する不死身のシリーズ
カペラ/アテンザよりもさらに歴史は古く1964年に遡ります。初代モデルは発売直後から大ヒットで、翌月にはシリーズ全体で月産10000台(今のアクセラより売れてる!!)以上を記録したらしい。それもそのはずで見た目は1961年にドイツに登場した『ノイエクラッセ』にちょっと似てる。さらに1980年に登場した5代目は、今度は欧州を席巻しつつあった初代ゴルフを彷彿とさせるセンセーショナルなデザインで再び大ヒットします。欧州への憧れが強い東洋工業の立ち位置をよーく示すシリーズになりました。来年発売予定の次世代モデルではまた世の中をざわつかせる可能性が高いらしい、ファミリア/アクセラ伝説はまだまだ続く。
第3位 マツダ・ロードスター
世界を黙らせた日本のスポーツカー
アクセラもサバンナRX7もその歴代デザインからして、欧州ブランドへの憧れが強すぎたわけですが、1989年のマツダ・ロードスターの世界的な大ヒットにより、マツダの立ち位置がガラリと変わります。ここから後のモデルでは至るところでマツダのオリジナリティが爆発するようになる。欧州の有名ブランド(メルセデス、BMW、ポルシェ)がこぞってNAロードスターのフォロワーを作ったため、マツダに自信がみなぎったようです。その後もユーノスコスモやアンフィニRX7など、強烈な自己主張と高いデザイン性そして独創性を兼ね備えた「アート」なクルマを連発します。その勢いのままフォード陣営に集められた7ブランドの1つとして、アストンマーティン、ジャガー、ランドローバー、ボルボ、リンカーン、マーキュリーなどの欧米の高級ブランドの仲間入り!?
第2位 スズキ・スイフト
軽自動車から生まれた世界的モデル
日本の軽自動車は世界的なスポーツモデルへと進化できる!!と見事に証明してしまった伝説的シリーズ。マツダのように過度に欧州に媚びたデザインでもなく、「日本のスズキだ!!」と堂々と主張するクオリティのエクステリア。抜群のボデーバランス。ウルトラスムースなユニット&ミッションは、小排気量エンジンの完成度としては異次元の仕上がり。ハンドリングでもドイツの自動車雑誌にマツダロードスターとともにランキング入りするなど、コンパクトカーのボデータイプでは最も高い評価を受けている。こんなクルマが日本市場から出てきたことを素直に誇りに思うべき・・・。
第1位 スバル・レガシィツーリングワゴン / レヴォーグ
金字塔
富士重工スバルが、これまで生産してきたモデルは、水平対抗という「通奏低音」が響き、プロペラシャフトとビスカスLSDのセンターデフが唸りを上げて、複雑な走りをする「メカニカル」コンセントがユーザーの心の隙間を満たしてきました。この世界には2種類のクルマがある!!それは「スバル」と「それ以外」だ!!と過激に言い放つファンを抱えるブランドが日本にもあることが素晴らしい。まるでフェラーリかポルシェのファンのように、スバリストは墓場までその燃え上がる想いを持っていくことでしょう。スバルとファンが作り上げた絆をなくすことなく、レヴォーグへと引き継がせた心意気は素晴らしいです。