手数がメチャクチャ多いけど、大丈夫!?
マツダが数少ないラインナップにひっきりなしに「小改良」を加えています。新型モデルの発売ではなく、「Gベクタリングコントロール」や「360度モニター」など新機能搭載のニュースで、カーメディアに登場することの方が圧倒的に多くなった気がします。もうコアコンピタンスは、純粋な自動車メーカーから少し外れていて、ピニンファリーナとマグナ=シュタイアーを合体させたような、メーカーを支える「なんでも屋」でも開業した方が、はるかに儲かりそうな気さえします。もしかしたら水面下で某国の自動車資本からなんらかの大規模提携の接触を受けているのかもしれないが・・・。
使いこなせないほどの標準装備
下位グレードモデルになるデミオやアクセラにも容赦なく新機能を付けてきます。ヴィッツやカローラのライバルモデルに求められるのは、イニシャルコストの低減を意味する「コスパ」だと思うのだけど、マツコネ、自動ブレーキ、Gベクタリング、追従型クルコンなど、大半の人は使いこなしていないのではないか!?っていう機能を当たり前の標準装備にしています。まるでカローラ史上最高にリッチだった90年代終わり頃のモデルを見ているかのようです。決して「マツダだけ」な現象ではないけども、相変わらずの護送船団方式をとる日本勢の中で、やや目立って暴走気味な気がします。危機感に苛まれつつも、将来に向かっての成長を求める発展型自動車メーカーとしては、当然の意気込みなのかもしれないけども、なんだろな・・・ちょっと生き急いでないですか!?って気がしないでもない。バブル感が増しているマツダから注目の5台を選んでみました。
第5位 CX5
MAZDAのSUVだから売れた!?
今のMAZDAの急加速のきっかけは、2012年の発売から短期間でSUVでは世界最高レベルの販売台数を誇るようになったこのCX5の大成功です。もしこのモデルがずっこけていたら、自動車メーカーとしてのマツダの未来は完全に閉ざされていたかも。マツダがグローバルで販売するためのSUVを初めて作ってみたら面白いように売れた!!嘘みたいなサクセスストーリーですけども、マツダには何度かある話。総合自動車メーカーながらも、地道に50年間も専用設計スポーツカーを作り続けたのは世界中探してもマツダだけ。後からSUVやらセダンやらを作るようになって総合ブランド化したポルシェ、ジャガー、マセラティを加えれば、スポーツカーに取り組んで半世紀以上!!ってのは4ブランドってことになるのでしょうけども、やっぱりMAZDAは偉大だと、世界の自動車ユーザーは認めていたからこそ売れるんだと思います。ポルシェ、ジャガー、マセラティが300万円でよく出来たSUVを売ったら同じようにヒットするとは思いますけども。
第4位 アテンザ
2012年の初期型とは全く別物になった
とうとうレクサスに追いつくくらいの装備を手にしてしまった。北米市場では2.5Lターボでパワフルな走りをするらしい。レクサスISやGSではたとえ300psのユニットを積んでいても、ジワジワとパワーが盛り上がって優雅に走るだけども、ミッションもサスも「ショック」を恐れずにダイレクト感を高めたマツダ製の駆動系ならば、相当にガツンと迫力のある走りをするのでは!? FRで車重も重いレクサスよりも、AWDで軽量なアテンザ・ターボの方がエキサイティングな走りをするだろう。内装の進化もバブルそのもの。ウッドパネルに、新素材によるトリム処理。とにかく新しい繊維素材で内張を加飾して新鮮さが強調できれば高級車としてのベースは十分。樹脂素材の表面処理だけに頼るメルセデスやスズキとは一線を画した手間ひまをかけた英国調が最近のマツダの志向らしい。やっぱりバブル。
第3位 CX8
日本のファミリーカーの常識を変えた歴史的モデル確定!?
ランドローバー、アウディQ7、メルセデスGLE/GLCなど優雅なSUVはそれなりに存在していて飽和気味だったのですが、見事に市場を切り開いてきた。バブル期の日本メーカーが次々に美しいデザインのクルマをジャンルを問わず投下していましたが、このCX8もまるでバブルが再燃したかのように、デザイナーの自信と執念を感じる出来栄え。サルーンやスポーツカーのデザインに定評があったマツダで、まさかビッグサイズのSUVがラインナップで一番美しいデザインになるとはちょっと想像してなかったです。トヨタ、日産、ホンダによって完全に寡占されたファミリーカー市場をこじ開けるには、「これしかない!!」という熟考を重ねた末に見出した突破口をブランド一丸となって見事にブレークスルーに成功した!? CX8が発売されてからというもの、なんだかアルファードのデザインがチープに見えてくるんだよなー。
第2位 CX3
小型車をカッコよく作るのがバブルだ・・・
小さいし200万円程度で買えるクルマなんですけども、優雅に見せてしまう。普段パナメーラとか7シリーズとか乗っている人がセカンドカーで選ぶらしい。バブルの頃のクルマってのは、もう車体からムンムンと伝わってくるものがある。開発者が自分で「こんなのに乗りたい」って気持ちをストレートに爆発させているモデルが多かった。三菱ディアマンテ、GTO、トヨタソアラ、カリーナED、ユーノスコスモ、いすゞピアッツァ、ホンダNSX、もうやりたい放題。小型車だって冴えてました日産パオ、フィガロ、プレセア、いすゞジェミニ、ピアッツァなどなど。
ジュークが切り開いた欧州市場を頂く
このCX3にもそんな空気をプンプン感じます。失礼ですけども、最近の200万円程度で買える日本車ってどれも「貧乏になった日本人向け」ってな感じの割り切り感が目立ってしまって、クルマとして素直に受け取れないモデルも多い。もちろんCX3は、ジューク、ヴェゼルという2台の優秀な先行モデルの大成功を受けて作られたモデルなんでしょうけども、スバルXV、トヨタC-HRなど、ユーザーの満足度をしっかりと見据えたクルマ作り&価格設定をしてます。
第1位 ロードスターRF
日本メーカーはクレイジーだよな
ポルシェ911GT3やランボルギーニ、フェラーリなどのスーパーカーブランドを除けば、7000rpmも楽に回る自然吸気ユニットでお手軽価格のスポーツカーを作っている日本メーカー(マツダ、トヨタ、スバル)ってのは、相当にクレイジーな存在なのかもしれない。ファンに刺さられて存続する英国のコーチビルダー各社が作るライトウエイトスポーツは、欧州フォードが善意でショートストロークユニットを供給しているけども、これも旧型のマツダユニット(MZRエンジン)を改良したものだ。余談だけど、山田弘樹とかいうスポーツカーを専門にレビューする40歳代のライターが、NDロードスターの1.5Lスカイアクティブ改良型に乗って、マツダ初の名機とか言ってたけどさ、スポーツカーの本場イギリスではどこもマツダのエンジン使ってるが・・・。
もう何も言わせねー
バブル期の日本メーカーがやたら滅多ら開発したものが、今になって「4WS」「可変ダンパー」「直噴ターボ」「マイルドハイブリッド」「自動ブレーキ」「自動運転」などとして色々なメーカーで市販車に使われている。「EV/PHV」技術だってさ三菱が作ったものをメルセデスが「合法的」に持ち去ったりしてる。それを知ってか知らずか「日本はEVやPHVで遅れてる」って数年前までS水K夫は色々な雑誌で書いていた(今ではさすがにバカにされるので言わなくなったけど)。
クロノスからの生還
何が言いたいかっていうと、バブルで調子に乗りまくった日本メーカーが、バブル崩壊で一気に陰気になった。その頃にカーメディアで活躍し始めた連中ってのは、アホなことを書く奴が多い。しかもカーメディアはそんな奴ばっかりだから、日本のオッサン達の認識もいつしか「日本は遅れている」ってことになっている。いやいや・・・バブルの日本が今の自動車産業のほとんど全部を作り出したと言ってもいいくらいなのに。これまでカーメディアに言いたい放題されてきたマツダが、まるで逆襲するかのように「バブル」への逆流を始めている。誰もがマツダってこんなに凄かったのか!?って驚かされていて、S水も山田も何も言えなくなっている・・・これこそが絶頂の日本メーカーの姿なのかもしれない。