日米欧で中型車をフルラインナップで販売する13ブランドでは、必ずしもCセグが「買い」って訳ではなかったりするので、この結果がそのままブランドの魅力を反映しているわけではないです。そもそもこのCセグのランキングにあまり意味もない。実際に採点しててもどんぐりの背比べだな・・・。とりあえず残り4モデルを残しての結果は次の通りです。
12位 21点 日産シルフィ
10位 23点 スバル・インプレッサ、トヨタ・カローラスポーツ
8位 25点 BMW1シリーズ、メルセデスAクラス
6位 26点 レクサスCT200h、ボルボV40
4位 27点 VWゴルフ
・・・とまあ順当そのもののランキングだと思います。BMW、メルセデス、レクサスはあくまでCセグを買うブランドではないのでこれで十分かなという気がするし、10位で並んでいるインプレッサとカローラスポーツも特に飛び道具もなく、それぞれメーカーが意図する「入門モデル」でもあるし、「素」のCセグが欲しい人には手頃でいいモデルだと思う。VWゴルフは貫禄。
前回の記事はこちら
MAZDA3 は中型車13ブランドで何位!? その2
MAZDA3 は中型車13ブランドで何位!? その1
第4位 アルファロメオ・ジュリエッタ 27点
(静粛3、ハンドリング4、出力5、燃費3、インテリア2、エクステリア3、サス4、ミッション3)
とうとう日本向けの正規ラインナップは1.75Lターボ搭載モデルだけになってしまった。399万円でこの企画のギリギリの価格設定で300万円台前半のゴルフ・ハイラインと同等の評価はできる。好みによっては絶対にジュリエッタ・ヴェローチェがいい!!という人もいるだろうし、その逆もあるだろう。「1750TB」というショートストロークで6000rpmにピークが設定されている高回転型ターボは、ショート、スペック、回転域など2002年頃に一気に姿を消した日本のスポーツセダンのターボユニットに近いフィールがある。
足回りにはディフレンシャルが組まれていて、高い旋回性能を確保しているが、ハイパワーのFFゆえに、乗りこなすには相当な技術が必要という意味で、非常にイタリア車らしいのかもしれない。シャシーはAクラスと同じで三菱が設計したCセグ用シャシーを使っていて信頼性は高い。このランキングではその魅力が十分に発揮できていないけども、オンリーワンのエンジンとディファレンシャルを組み込んだ足回りで、メガーヌRSやシビックtypeRよりもはるかに安い設定の399万円は悪くない選択かもしれない。
第3位 ホンダ・シビック 28点
(静粛4、ハンドリング4、出力4、燃費3、インテリア3、エクステリア2、サス3、ミッション5)
ホンダが自信を持ってボデー&シャシーのレベルを引き上げてきただけあって、このシビックの日本投入により、実質的に2013年頃からカーメディアが事あるごとに繰り広げてきた「激戦区の欧州Cセグ」がやっぱり本当に「茶番」でしかないことが明らかになった。ドイツでは欧州向けにセッティングしたトヨタ・オーリスが人気だったが、オーリス、プリウス、カローラスポーツが使う「MC系」シャシーに下手したら負けてしまうレベルの戦いが「欧州のCセグ」。
それに対して北米からやってきたシビックは、「MC系」のワンランク上でカムリやRAV4に使われる「K系」シャシーと十分に戦えるレベルにある。ホンダの新型の中型モデル(シビック、インサイト、CR-V)のレベルが高いのので慌ててトヨタも日本に「K系」(カムリHV、レクサスES、RAV4)を入れている。日本のカーメディアには受け入れがたいことだけどうけども、彼らが信じてきた「欧州」(MQB、EMP2、CMFなど)は「北米」(HONDAグローバルコンパクト、TOYOTA・K系)の敵ではない。実際に北米市場ではMQBやCMF以降に使っているブランドの衰退が目立つ。欧州市場では現行の10代目シビックはデカすぎて全く売れなかったが・・・。
第2位 アウディA3 29点
(静粛5、ハンドリング4、出力3、燃費3、インテリア4、エクステリア3、サス4、ミッション3)
MQBの最高傑作と言ってもいいのではないだろうか。1.4L搭載のゴルフハイラインをベースに、インテリアの徹底した張り替えと、静粛性及びNVHへの対策がしっかりされていて、ゴルフのように足元がスースーする「安っぽさ」は無くなった。そのかわり車重が増えてゴルフの軽快さが損なわれたと感じる部分もあるけど、やはりCセグたるもの「軽快感」だけで勝負していてはダメだろ。300万円を超えてくる価格設定を考えると、多少なりとも「いいクルマ感」「長距離ツアラーっぽさ」みたいな部分で評価されるべき。つまり静粛性、インテリア、サスでハイスコアを揃えたクルマだ。
ゴルフのMQBをベースにするアウディモデルは、A3、A3セダン、Q3、TTの4モデルで、日本市場においては完全にアウディの主力となっている。それでもアウディを買うならアウディ開発車(A4〜)にすべきだ!!という考え方も、一般人より多くのお金を費やすクルマ好きの中では根強い。ゆえにバイアスがかかって販売が伸び悩んでいる。単純にメルセデス、BMW、レクサスとの比較においてはこのCセグでは圧勝とまではいかないけどナンバー1だと思うのだが・・・。
第1位 MAZDA3 33点
(静粛5、ハンドリング4、出力2、燃費4、インテリア4、エクステリア5、サス4、ミッション5)
新しく上のグレードへとブランドのテリトリーを広げようとしているMAZDAにとっては、モデル末期であっても年産40万台を確実に見込めるMAZDA3が基幹車種として、米中歐????????で常にトップレベルの実力を示さなければいけない。ファミリアの遺産を受け継ぎ、第五世代(2002~)でアクセラと名前を変えて、世界的な大ヒットモデルになり、マツダが本格的にSUVへ傾倒した第六世代(2012~)でもあの福野礼一郎さんに「ワインディングを走ってここまで気持ちよかったFF日本車が今まであっただろうか!?」とまで言わせた。
第七世代(2019~)からMAZDA3に再び車名が変わった。日本市場に置けるたびたびの車名変更の意味は、カローラを超えるヒット車にもなった「ファミリア」から、世界で戦う「アクセラ」に変わり、今度はオンリーワンの領域を目指す「MAZDA3」という意味なのだろうか。イギリスのカーメディアは2LのマイルドハイブリッドユニットがVWゴルフの1.5Lターボに遅れを取っていると厳しい評価がされていたが、来年の今頃はスカイアクティブXに加えてロータリーEVも発売されて全く別のクルマになっている可能性も・・・。
関連記事
新型インプレッサ「Cセグのベンチマーク」なんてどーでもいいさ!!
マツダ新型アクセラ と ホンダ・シビック 日本のカーメディアはなぜ語らない!?
Mazda 3 vs Ford Focus vs Volkswagen Golf https://t.co/sepVgyd59W
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2019年6月23日
最新投稿まとめブログ