日本市場も大きく変わる!?
自動車価格の上昇が進むにつれて、日本市場で盤石の体制を築いているトヨタでも、販売台数の半数余りがダイハツが設計・製造する廉価OEMモデルが占めるようになっている。あれだけの人気を誇ったプリウスもアルファードも300万円を軽く超えるスタート価格となり、それぞれに月に3〜4万台売れていた10年くらい前の状況ではなくなっている。
日産が2026年までにHVが、2030年までにBEVが、ガソリンエンジン車と同等のコストになると発表した。この予定通りに進むならばCVTを使う近距離向けエンジン車は一気に淘汰されていくのだろう。1日に100km以下しか使わない上に、自宅に給電システムがあるならばBEVへの移行へのハードルはほとんどない。CVTのクルマを2時間以上も運転したいと思わないから、100km以上使うことが多い人はまず選ばない。
2つのブランド・コア
メルセデス、レクサス、アウディがBEV専売ブランド化を発表している。これに対してBMWもマセラティもMAZDAも、それぞれに発表している中長期プランによると、「BEVによるスポーツカー」と、「エンジン車による長距離向けグランドツアラー」を両輪としたハイブリッドなラインナップの構築を目指しているようだ。BEVを作るにしても自動運転ありきなコモディティではなくて、ハンドルを握るドライバビリティを重視したスポーツカーをブランディングの真ん中に置いて勝負するようだ。
新世代のマセラティがグランドツーリングSUVであるグレカーレをガソリンエンジン車で仕立てたことは、エンジン派の人々にとっては非常にポジティブな出来事だ。日本市場でも「本気で売る価格」に設定してもらえるとさらに良いのだけども、日本の自動車行政も先行きが非常に不透明だからまあ仕方がない。価値のわかる人がカネを払ってくれればいいってことだろか。