長距離適正
長距離グランドツアラーというユーザーの選択基準ならば、MAZDAのCX-60、CX-5、CX-8、MAZDA6などは、クラウンクロスオーバーあるいはアルファード/ヴェルファイアに総合評価で負けるということは考えにくい。端的に言ってしまえばトヨタ車(特に上級モデル)は30分以上連続で運転したくない。トヨタ車の走りはすぐに飽きる。そんなネガティブな印象が免許と取って最初の数年で叩き込まれてしまったこともあって、多少なりともバイアスを自覚はしているけど、それを少しでも拭ってくれるトヨタ車にまだ出会っていない。
MAZDAとトヨタは何が違うのか。先ほども書いたけど「5つの可動部」の設計思想が違う。トヨタの前の社長が「MAZDAを真似しろ」と号令した時には、長距離を気持ちよく走れるトヨタ車が出てくるのかと期待したけど、その影響下にあるとされるカローラや新型プリウスは、とてもじゃないが300km級ロングドライブを想定した設計にはなっていない。街中で30分程度使うだけならMAZDA車うよりもよっぽど燃費が良くてリーズナブルだけどさ・・・。
トヨタの合理主義
休みの日に300kmのドライブなんてしている暇はない・・・ってのが大方の意見だろう。高速道路代とガソリン代を合わせて交通費だけで軽く1万円くらい軽く飛んでいくから、クルマとドライブがよっぽど好きじゃないと趣味として優先的に楽しむものにはならない。個人的な理由で恐縮だけど、色々なところに出かけて各地の景色を見るのが好きだ。全行程が100km前後の距離ならば、ロードバイクで行くことをまず考えてしまう。渋滞の心配もないし、興味深い景色があったら駐車スペースなど気にすることもなくじっくり眺めることもできる。
100kmくらいまでの距離ならクルマを使わない。そんな私のようなロードバイクやモーターバイクに乗る人にとっては、当然ながらトヨタ車との相性は良くない。そんなことは作っているトヨタ側も当然に承知していることだろうし、大手企業ゆえにマイノリティのニーズなど追いかけない。乗り味の方向性が変わったと言われるが、今もブランド全体で長距離ドライブ用のグランドツーリングカーを目指すわけではなく、ファミリーカー、タクシー、社用車をメインターゲットにしたクルマを開発していると感じる。