トヨタの野心
BMW・X5とクラウン・クロスオーバーの同時所有となると、同じような用途のクルマにも思えるが、高級車として別の方向の乗り味なので2台持ちする贅沢な理由が理解できる。逆にZR-VとCX-5を、あるいはCX-60とX5を同時に所有というのは、さすがにキャラクターがかなり被っていて、ちょっと理解がし難い組み合わせかもしれない。まあこのような常人の理解を超えたアブノーマルなクルマ趣味を「エンスー」と言うのだろうが・・・。
2023年中に発売されるクラウン・スポーツと発売されたばかりのヴェルファイアは、ハイヤーや社用車のような高級車を目指す設計をベースにしながら、BMW、ホンダ、MAZDAあるいはポルシェを挑発すべく、今までのトヨタでは想像ができないくらいの大きな振り幅を見せるらしい。どちらも一般人はまだ試乗できないので何とも言えないけども、2000kgオーバーの車体をそのままにして、痛快なハンドリングなんてことがあり得るのだろうか!?
共通点
スバルがWRXとレヴォーグを、MAZDAがMAZDA3、CX-30、Mx-30を一括企画で開発したように、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、レクサスNX、レクサスRXが「一括企画」で設計されている可能性が高い。スバルやMAZDAでも同じことが言えるが、「一括企画」は同時に開発されたモデル間においてエンジンユニットが共有されることもあって、走りの個性があまり感じられなかったりする。
今回のトヨタ&レクサスの「一括企画」に含まれる各モデルは、横置きエンジンのFFベースモデルとしては、総じて車両重量がオーバーウエイト気味だ。車体剛性を優先した結果なのか、最軽量のレクサスNXの非HVのFFモデルが1600kg台なのに対してCX-5ではFFが1500kg台である。レクサスNXは横置きFFでプロペラシャフトがないにも関わらず、FRで重量バランスをとる必要があって軽量化が難しいCX-60と同等の重量になる。