国内と国外
ブログでトヨタに対して厳しい意見を書いていると、すぐに「アンチ」だと認定されるだろうけど、40兆円の巨大企業を「悪の権化」だと書き立てるほど幼稚なつもりはない。肯定できる部分はもちろんたくさんある。マルクス=ガブリエルがGAFAに噛み付くように、日本の巨大企業にも世界からの厳しい意見があることも踏まえて、豊かなカーライフに直結する自動車産業の今後について自分の頭で考えなければいけないと思っている。
「モビリティ」というワードをトヨタが数年前から積極的に発信している。少子高齢化が進んでいる日本では、環境的ではなくて経済的に「持続可能」な社会システムへの転換が迫られている。高齢化率が40%に迫る社会では「モビリティ」と「介護ロボット」の大きな進化が予想される。幸いなことに日本の高齢化率の予測は2040年に35%、2070年に39%くらいだそうで、50年後も今と大きくは変わらないようだ。
機能不全な社会を動かす
2010年くらいからすでに「次世代コネクティドカー」「自動運転」による自動車産業の道筋はリアルに語られてきた。当時は団塊世代が後期高齢者になる「2025年問題」に合わせて2025年頃にはどのメーカーも完全自動運転を導入している・・・かのような予測だったが、あと1年猶予があるとはいえ、法制度も何も変わっていない。国土交通省に予算が重点配分されている様子もない。国土交通省の「自動運転に対応した都市空間等の検討」は個別予算不明となっている。
トヨタが次世代ビジネスを模索する「テーマパーク」を静岡県裾野市に建設している。敷地面積は東京ドーム15個分だそうで、東京ディズニーランドとディズニーシーがそれぞれ東京ドーム10個分なので、なかなかの規模の「真面目な大人の遊園地」が完成するようだ。令和の「官営模範工場(冨岡製糸場など)」といった狙いがあると思われる。実際に見てもらって国内外からの導入・受注を促進する狙いがある。