トヨタとホンダ
トヨタのシャシーはここ数年で刷新されたTNGAで、Bセグ用がヤリス、ヤリスクロス、シエンタ、Cセグ用がカローラ、プリウス、ノア/ヴォクシー、Dセグ用(Kプラット)がハリアー、RAV4、クラウン、アルファードなどに充当されている。これに対してホンダはフィットベース(Bセグ・センタータンク)と、旧シビックベース(Cセグ・7代目シビック)、シビックベース(Cセグ・10代目シビック)の新旧入り混じった3つのプラットフォームで応戦している。
実際のところヤリスとフィットを乗り比べるとフィットの走りはワンクラス上に感じる。同じようにヤリスクロスよりヴェゼルが、シエンタよりフリードが、カローラよりシビックが、ハリアーよりZR-Vが、クラウンクロスオーバーよりアコードがより高性能なシャシーを使っているように感じる。実際に価格帯もホンダ勢の方が50〜100万円程度は高くなっている。
ホンダ伝説は終わっていない
ホンダのシビックベース(Cセグ)は、トヨタのDセグ用(K)を相手にも互角以上の性能を誇るが、フィットベースのフィットがカローラスポーツを、ヴェゼルがカローラクロスを下克上しているか?というと、実際の車体サイズの違いもあるので、ややホンダ勢が劣勢に思える。カローラスポーツとカローラクロスにはトヨタが北米市場でホンダと対峙すべく開発した2L自然吸気で170psを捻り出すダイナミックフォースエンジンが搭載されているから相手が悪い。
2000年に登場したシャシーを使い続けるステップワゴンと、2017年からTNGA化されたトヨタCセグ用を使うノア/ヴォクシーの比較は興味深い。やはり最新鋭のシャシーが良いのか、それとも熟成が進んだ20年物が良いのか。ファミリーカーの王道であるミドルミニバンを、スポーツカー的視点の運動性能で分析するのが、そもそも間違いな気もするが、両陣営ともに「走り」で評価してくれと言わんばかりの開発をしている。