トヨタとサントリー
レクサスもセダンからSUVへ雪崩のようにユーザーが移った。レクサスの場合は、北米市場だとSUVが割高なのに対して、日本市場だと逆にセダンの方が割高な価格設定になっている。北米市場では1989年以来抱えてきたセダンユーザーのSUVへの移行を防いでいる。一方でセダンがそれほど定着せず苦戦が続いた日本市場では、SUVを手頃な価格に抑えて目一杯に拡販している。
若者の「クルマ離れ」で縮小する市場と向き合う状況では、大手メーカーよりもアルファロメオのような小さいシェアしか持たないブランドの方が対応しやすいかもしれない。クルマと同じように「アルコール離れ」が進む中で、大手のサントリーはウイスキーの出荷を調整して価格の高騰を狙った。トヨタの販売戦略に似ている。
新興勢力に脅かされる大手
ウイスキーブームが続いている。サントリー、ニッカ(アサヒ)、キリンの大手3社は、今年になって看板商品のシングルモルト・ウイスキー(4000円台)だった定価を横並びで7000円台まで引き上げた。各地に造られたベンチャー蒸留所が10000円を超える価格でシングルモルトをリリースしているのに対して、大手のプライドもあったのだろう。ベンチャー系の代表格であるイチローズモルト(埼玉県)は、世界的な名声を手に入れて好調な売れ行きを見せている。
トヨタがサントリー、日産がキリンに対して、MAZDAがイチローズモルトのように世界的な評価を得ている。クルマ業界とウイスキー業界には同じような構図が見られる。MAZDAはイケイケで、ブランド市場に経験したことない高価格の新型モデルがよく売れる。大きな違いはMAZDAアンチは多いけどイチローズモルトのアンチは聞いたことがない。