売るのが難しい
日本市場では、いよいよハイクオリティなロードカーが絶滅の危機を迎えつつある。カローラやノートなどSUVやミニバンよりも手軽に購入できる商品力(乗り出し300万円以内)を狙ったロードカーの販売は、まだまだ堅調であるけども、MAZDA6、MAZDA3、レヴォーグ、シビック、プリウスの他にドイツ車のロードカー全般がシェアを失っている。
中国、欧州、北米でBEVやPHEVの販売が増え、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドのセダン、ワゴンの新型車は、販売できる市場が限られるようになってきた。メーカーが開発に及び腰になり、ユーザーもそれを察知するので、販売低下が如実に現れるのも仕方がない。価格の上昇基調も追い討ちをかける。
小型車の性能
ホンダ・シビックが日本市場で復活したのは2017年のことだった。初代ヴェゼル&N-BOXが大ヒット爆進中だったホンダにとっては、ある程度の上位モデルへの乗り換え需要を見込んでの上位グレード車の投入だったのだろう。しかしボディタイプによるユーティリティの差は簡単に埋められるものではなく、二代目ヴェゼル&N-BOXが引き続きの大ヒット中である。
乗り出し250〜350万円程度で収まるヴェゼル&N-BOXに対して、走りの質での根本的な違いを訴求して、シビックで乗り出し価格の100万円引き上げを狙ってみた。しかし都市部のユーザー目線では、どこも道が混雑していて存分に走りを楽しむ余地があまりないし、地方のユーザーにとっては、ガラガラの道ならばヴェゼルやN-BOXでも十分に走りが楽しい。