車名を変更すべきか!?
シビックをトヨタのマーケティング戦略で売るとしたら、90年代からの入門車イメージがある車名を変更し、e:HEVのような価格帯になるのなら、レクサスブランドからの販売に切り替えるのだろう。かつてトヨタも欧州市場向けに気合を入れて作ったカローラランクスとアレックスを、2代目からオーリスやブレイドに名称を変更した。
オーリスは1.8Lのコロナ、プレミオクラスに車格が上がったことを意味し、3.5LのV6を搭載するグレードまで用意したブレイドは、トヨタ版のゴルフGTIやゴルフR32を印象付けた。現行シビックの1.5Lターボは、2.4L自然吸気の代替として登場したのだから、90〜2010年代のアコードに相当するユニットを積んでいる。先代のシビックではシャシーはアコードと共通だった。
ホンダのポリシー
AJAJの国沢さんが「シビックという車名のままでは有り難みが湧かない」と書いていた。トヨタのマーケティングは非常にわかりやすいが、結局オーリスもブレイドの車名も現行では消えている。シビックの車名変更をしなかったから、ホンダが倒産したというなら問題だけども、業界の中では「薄利多売」かもしれないが、堅実な経営を続けている。
CVCC、テンロクVテック、typeRなどホンダの先進技術を常に発信する車名であった「シビック」は、開発側のホンダと、ユーザー側のAJAJ国沢さんでは捉え方がまるで違うのだろう。誰でも手軽に買える価格だった歴代のシビックが、北米も欧州も制覇してきたというカタルシスこそが、ホンダの四輪車部門のブランドの源泉になっている。