日産がメディアに躍る日々
メディア露出が少なかった日産が話題の中心になっている。日産の上半期の決算で営業利益が大きく減少し、今後9000人規模のリストラとのこと。営業利益が9割減少したとはいえ、一応は黒字で残したことからも、リストラを断行するために利益を圧縮したというのが真相に近いような気がする。北米市場が単体では赤字だそうだけど、販売奨励金を多くばら撒いて利益を過小化させている。
経営の専門家や税理士ユーチューバーのこぞって日産の不振を取り上げている。経営ロジックの内実を解説しても、そんなコンテンツを視聴者は望んでいないことはメディア制作側も承知で、日産のクルマ作りがダメダメだと批判する方が視聴数が稼げるようだ。アメリカ市場で売るハイブリッドがないなど、もっともらしいこと言ってるけど、北米で好調なMAZDAもCX-50がHEV化されたのは2024年7月になってからだ。
市場の変化が激しすぎる!?
数年前までは、北米市場1位が日産ローグで、中国市場1位が日産シルフィという勝ち組ムーブを見せていた時もあった。このタイミングで経営陣はちょっと勘違いをしてしまったのだろうか。シルフィでポイントを稼いで中国市場の責任者だった内田社長が誕生した。ライバルメーカー(トヨタ、ホンダ)があまりに弱過ぎなので、フルモデルチェンジを急ぐ必要もなく、車両開発の目標が上手く定まらなかったのかもしれない。
日産は日本市場向けの新型車が少な過ぎると10年以上に渡って指摘されている。しかし日産の立場で見ると、日本市場で最大手のトヨタやカーメディアに話題を提供し続ける人気のMAZDAは、基本的には20年以上前と大きくは変わらないICE(エンジン車)のモデルが大多数であり、この体制のままでは中国市場や欧州市場ではアウトサイダーでしかない。既存のICEで機動的に日本市場に対応しているだけだ。