クルマを退化させるメーカー
日産の技術陣がHEVを見限ったように、メルセデス、BMWも走りの質を担保するために、BEVとマイルドハイブリッドの2本立てでラインナップを構築している。BEVとICEで共通プラットフォームを使い、経営効率化を図り、単月で欧州でのBEV販売トップになったのがBMWだけども、某評論家は「共通プラットフォームでBMWは終わった」と書いている。
一方でBEV専用プラットフォームを採用しているメルセデスやVWはBEVの販売伸び悩みで経営が圧迫されている。「真面目に作ったらバカを見る・・・」日本国内ではトヨタのダンピング攻勢の前に、他社の普通乗用車の市場が次々と奪われ、想像を超えるペースでの「若者のクルマ離れ」を引き起こした。トヨタ会長は日本の自動車課税が原因だと批判しているが、トヨタの強引なクルマ作りにも原因があると思う。
マインドの劣化
品格も知性もない「パーカーおじさん(ファストファッションおじさん)」と「CVTおじさん」がマジョリティで消費の中心である限り、したたかなマーケティングに基づいてユニクロやトヨタは成長を続けるだろう。その結果はすでに現れていて、日本全体では莫大な個人資産が健在なはずなのに、街の風景はどんどん貧相になっている。「日本もすっかり貧乏になった」と「バブル世代おじさん」が呟く。
私自身もとっくに「おじさん」と呼ばれる世代だ。とりあえず見た目がどうとかではなく、「おじさん」扱いされても全く不快にはならないタイプの人間だ。自動車、腕時計、ウイスキー、ロードバイクなど人生を楽しくさせてくれるもののほとんどは、前の世代の「おじさん」たちが脈々と受け継いできた品格と知性によるものだと思っている。