SUVの一般論
多くのカーメディアのライターは還暦超えで、SUVが無かった時代からのクルマ好きな人ばかりである。この10年のSUVの市場拡大を苦々しく思っている人も多いようで、SUVに関してはまともな論評を読んだことがない。アウトドアのアクティビティを楽しむ文化(キャンプ、ロードバイク、フィッシング)の広がりや、世界各国の道路事情に合ったスタイルを考えればBMW、ポルシェ、MAZDAがSUV主体になるのも理解できる。
その一方で、SUVにもデメリットはある。それなりの大きさのSUVは車重が重いため燃費が悪くなるだけでなく、コーナリング時の挙動、登坂時のもっさり感、下り坂でのブレーキングなど、様々な弊害が出てくる。現行CX-5には3つのパワーユニットが選べる。日本市場専用となった2Lモデルは、平坦な市街地での送迎や買い物で使うには不足はなく、価格や自動車税も抑えられていて、ゆったりした車内は魅力ある。
市場の変化が早い
現行CX-5がデビューした2017年頃とは、日本メーカー各社のラインナップは大きく変わってきた。ヴェゼル、キックス、ヤリスクロス、ライズなどのコンパクトSUVが次々とヒットした。HEVあるいはCVT装備で街中のノロノロ走行でも燃費が極端に悪化しない。立体駐車場や狭い駐車場でも使えて、ボデーサイズの取り回しが良い。インテリアのデザインや車内の快適装備も格段に進歩していて、ステアリングヒーターやシートヒーターは当たり前に付いてくる。
CX-5の主力でもあるディーゼル車は使い方に工夫が必要で、街中のチョイ乗りで使うのは、さすがに心臓に悪い。情報化社会だから、一般ユーザーにもディーゼルは長距離向けと広く認知されてはいるが、CX-5やCX-8のディーゼルで街中のスーパーに買い物に来る人もたまに見かけることもある。それでも東京都の中央部(市部)ではガソリン車の割合が高いように思う。