ポリシーとコレクトネス
価格上昇は少し気になるが、新型フォレスターはミドルSUVで峠を目指す人々のニーズを理解した上で登場した。日産、三菱、トヨタのSUVが完全に「ツアラー性能」を無視する市場だけども、SUVとは本来は路面に段差があることも厭わず僻地の峠を走破するための設計なはずだ。街中で2000kg級の巨躯をモーター駆動で機敏に動かすことを周囲に見せつけるだけの浅はかなプロダクトに成り下がるクルマは、ホンダ、スバル、MAZDAは作らないと信じている。
奇抜な味付けで登場して話題となったCX-60も、あまりに牙を抜いてしまえば、車重2000kgの「街中イキりマシン」に堕落してしまいそうな危うさはある。内外装のデザインと、街中での加速フィールを試しただけで、クルマの良し悪しを断言するユーチューブ・メディアの時代では、車重2000kgだろうが、パドルレスだろうが、全く指摘されることはない。「HEVはゴミだ」と明確に主張するライターも福野礼一郎さんくらいだろう。
新型フォレスターは良い兆候
官僚主義的な日産、トヨタ、三菱が、峠に行かないユーザーだけを相手にしたボッタクリのクルマを作って利益を上げようが一向に構わない。メルセデスやポルシェに日本のような高温多湿な山岳地形に適したクルマを作る義務もない。しかしそれらのメーカーの価値観に従って、スバル、ホンダ、MAZDAのエンジン車を批評する無能な「自称クルマ好き」がカーメディアやユーチューバーに溢れていてうんざりする。
フォレスター、CX-5、ZR-VとレクサスNX(パドル付きます)は、ミドルSUVの最低地上高&車載性能を生かして、日本列島を縦横無尽に走りたいという人々にとっては最後の希望だ。レクサス以外にも、まだまだ3つのメーカーがニッチだけどクルマの本質と言える市場に踏みとどまっていることは素晴らしい。次期CX-5とZR-Vにも車重を1600kg程度に抑えたガソリンエンジン車の継続を大いに期待する。
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