輸入車の魅力はどこへ!?
日本市場では、長らく「輸入車=ドイツブランド」という不文律があった。日本メーカーの高性能車に280ps自主規制があり、一般モデルの普通車が100psを下回るくらいだった時代(2010年くらいまで)、圧倒的な走行性能を誇るドイツ車は、日本社会において上流階級の定番モデルとして高いステータスを維持していた。
いつからだろうか、日本市場のユーザーは尊敬すべきドイツブランドに対してナメた態度を取り始めた。クルマ好きが飲み屋で愚痴を言うならともかく、立派なカーメディアが、横置きエンジンだからという些細な理由で「500万円払う価値はない」などと平気で断罪するようになった。日本市場の購買力が落ちていく中で、「FFだからいらない」そんな買わない理由を説明する都合が良い文言だけがカーメディアで流布されていった。
日本車とドイツ車の差とは!?
中国向けのドイツメーカーと、米国向けの日本メーカーは、経済成長著しい両市場のスピードに追従するように、短期間で自動車開発を進める。市場のトレンドを敏感に反映させてきたためか、インテリアやエクステリアの特徴からメーカーの個性を見分けるのが難しくなってきた。新車開発の各セクターに多くの開発サプライヤーが参加していることもあり、日本メーカーも輸入ブランドも同じような機能が追加されている。
毎年のようにトレンドのクルマに乗り換えていく富裕層をターゲットにしたビジネスモデルなので、1度買ったら15年くらい乗り続ける日本の伝統的な所有形態とは相性が悪い。日本メーカーもドイツメーカーも高級車に関しては日本のニーズに合わなくなってきている。その一方で、発売から10年以上もFMCがなく放置されることも多いイタリア車やスウェーデン車は、ドイツ車と比べて安いわけでもないのに、日本で販売が続いている。