ラウンド5:ハイエンドSUV
マセラティ・グレカーレ (997万円〜)
実用的なステルヴィオとは別の路線で、ラグジュアリーに作り込んでいる。カイエン、Gクラス、X5、ディフェンダー、LXなどなど、ハイエンドな高級SUVの車種はどんどん増えている。港区周辺だけでなく、成城(世田谷区)、吉祥寺(武蔵野市)などでは、信号待ちで前も後も1000万円級SUVなんてことは珍しくもない。八王子市、所沢市などでもかなりの頻度で見かける。ディーラーが少ないマセラティ(東京都で3カ所)はちょっと不利ではあるけど、杉並区のディーラーに近い辺りではレヴァンテやグレカーレを見かける。
1000万円以下で雲上ブランド・マセラティの新車に乗れる。Gクラスの中古車が5年落ちで1000万円くらいの価格を付けているので、日本市場で購入してもらうための戦略価格なのだろう。購入時はマセラティに乗れる幸せを感じるだろうけど、フェラーリが開発したわけでもない直4エンジンのマセラティは、ちょっと嫌な意見を浴びるかもしれない。あとからV6に乗り換えたくなるのだとしたら、なかなか罪なモデルだ。ブランド側は、「直4は女性向け」と言うのだろうけど。
ボルボXC90 (1019万円〜)
2014年から発売されている2代目XC90は、北米のプレミアム・ミドルSUV市場では異例の、直4ターボ&モーターのみの割り切ったグレード構成で登場した。某日本メーカーが直6を新開発するなど排気量信仰が強い北米市場で思うように販売は伸びてはいない。しかし北米IIHSの衝突安全基準では、ミドル以上のSUV部門では他車が成し遂げられない最高レベルの「トップ・セーフティ・ピック➕」を最初に獲得した(MAZDAやジェネシスよりも先)。
クルマを買うのに1000万円も費やすなんて馬鹿らしいけど、高級住宅地で家族が気分良く住むために我慢して払う。家族を乗せるクルマなのだから、最も安全性が高いクルマを選びたい。メルセデス、BMW、アウディは最近になってやっと「トップ・セーフティ。ピック➕」を獲得できるモデルが出てきた。レクサス、インフィニティ、アキュラ、スバルは獲得すらできていない。
判定・ボルボXC90の勝ち
1000万円クラス同士(直4エンジン同士)で比べるならば、ボルボのブランディングを表現するXC90の方が魅力的に思える。同じ金額のA.ランゲ&ゾーネとロンジンだったら、ランゲを選ぶという意見もわからないでもないし、マセラティに詰め込まれたイタリアの造形センスに重きを置くなら話は別だけど、あくまでイタリアとスウェーデンを等価に考えた結果なので悪しからず。
後記
最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年7月14日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。