2、クラウンが北米市場でMAZDAに惨敗
ほぼ同時期に約4万ドル(600万円)というスタート価格で、クラウンクロスオーバーとマツダCX-90が北米市場に投入された。北米でのハイブリッド需要の伸びを追い風とするクラウンと、伝統的にアメリカ人が好む6気筒エンジンを搭載し、3列大型SUVとして登場したCX-90の比較がフェアかどうか疑問はあるが、関税前の2024年の販売では2万5千台のクラウンに対して、CX-90は5万台でダブルスコアとなった。
ともに日本生産の100%輸出車同士のマッチングだったため、両メーカーの首脳陣もこの結果には思うところがあるだろう。北米生産だったアバロンとヴェンザ(ハリアーの北米サイズ版)を、日本生産に置き換えたクラウンクロスオーバーだけど、アバロン、ヴェンザの合計販売台数を上回る結果を出している。ハイクオリティな日本生産車をアメリカや中国に届けるという、トヨタのブランディングはホンダや日産とは真逆を行っている。
クラウンクロスオーバーの販売計画は順調だったかもしれないが、同じく日本の工場から2倍の出荷量を誇るCX-90の存在は全く面白くないことだろう。トヨタとしては、クルマと環境の共存を追求する中でマテリアルやコスト面での最適解として「ハイブリッド」の普及を掲げ、全くブレない方針でクルマを作っているのだが、北米市場に迎合した3.3L直6ガソリンエンジンで売り上げを伸ばすMAZDAは目障りこの上ない。
2024年の北米市場で販売(前年比割合)を伸ばした総合自動車メーカーは1位がMAZDA(過去最高)、2位がトヨタという結果を受けてなのだろうか、トランプ大統領率いる連邦政府は当然の関税処置に動いた。石破政権の不手際ばかりが報道されるが、欧州&中国市場で締め出しを喰らったトヨタとMAZDAが北米市場に無理に活路を求めたことに原因があるのでは!?BEV開発を後回しにする2メーカーのエゴが招いた自業自得な状況だ。