新型Eクラスの日本価格は675万円〜。2L直4ガソリンターボ184psがベースモデル(E200)で、2.2L直4ディーゼルターボ(E220d)が698万円〜、リーンバーンの採否は違いますが、スカイラインターボと同じ211ps仕様(E250)が756万円。800万円近く出しても直4エンジンという徹底的な合理主義にはビックリです。もちろんジャガーXJやボルボS90のように直4で1000万円近くに達するラグジュアリーサルーンが既にあるので、メルセデスが非道というわけではないですけども。
映画TAXIでは主人公が駆るプジョー406に対して、敵のV8エンジンを轟かすモンスターサルーンはメルセデスS500だったりするわけですが、そんなステレオタイプなイメージのメルセデスはもう日本にはやって来ないようですねー。1500万円でV8のE500は・・・さすがに日本ではもう売れないと思います。1800万円〜のE63AMGを日本で売るためにも余計なラインナップはしないのが賢明ですね。
日本のクルマ好きにとってはメルセデスのイメージはどこよりもタフなエンジンを積んだ高級サルーンが魅力なわけで、もうそのイメージを守っているのはAMGのV8モデルだけになってしまっています。しかし軽く1000万円を越えるAMG(直4を除く)はなかなか手が出せない・・・。それならば800万円程度のジャガーかマセラティのV6モデルでいいんじゃ? そんなトレンドに「待った!」をかけるかのようにAMGの「43」V6ターボのモデルがセダン、ワゴン、SUVに続々とラインナップされています。
くっそ完全に日本人の購買力に関して「足元」を見て来るなー。北米では同じスペックのクルマが50000ドル程度で買えるようですね(C43AMG)。メルセデスの直4はエゲツナイくらいに下品な金属音がするので、買うならV6かなー。けども北米価格に300万円増しはちょっとボッタたくられてますね。メルセデスは300万円台のFFモデルをあれよあれよと言う間に、5ドア、4ドアクーペ、ワゴン、SUVと揃えてきて、近所のスーパーにもメルセデス・シルバーのCLAなどをよく見かけるようになりました。クラウンやアルファードよりも安いのだからもっともっと売れるでしょうね。
廉価モデルでメルセデスデビューを果たした期待の『新人』の中から特に所得的に恵まれているスター層を抽出して、次は800万円台のクルマにステップアップさせていくのかな。なんとも見事な作戦だとは思いますが、CLA180(360万円)からC43AMG(880万円)に乗り換えても、素人目にはメルセデスの同レベルのクルマにしか見えないですけどねー。