アメリカではインフィニティQ50という名称で売られているV37スカイラインです。北米では3.5Lハイブリッドに加えて、従来の3.7L自然吸気のVQ37エンジンが使われています(日本ではフーガとZに搭載)。VQ37の新車が欲しいなら、まだまだしばらくは売るであろうZを買えばいいわけですが(MTも選べる)、モード燃費8.6km/Lという環境無視の日産鉄血ユニットと5年も一緒に過ごす勇気がない・・・ってのが小心者のホンネじゃないでしょうか。BMWの直6なら5erでの12km/Lくらい出るのに〜・・・。
そういう声が日産を突き動かしたのかは分りませんが、いよいよ1000万台が視野に入ってきたルノー日産(三菱)グループが誇るプレミアムブランド「INFINITI」の屋台骨を支える次世代エンジンがいよいよ北米から投入されているようです。3LのV6ツインターボで、ロングではなくスクエアに設計されたボア×ストロークを持つので、V型と水平の違いこそありますが、トヨタ86に搭載されているスバル開発のFA20を6気筒化してターボ化したようなエンジンになるようです。もちろん最新のエンジンの設計はシリンダーの形状で決まるものでもなく、直噴かインジェクターか(インジェクターがフィールは有利)の違いだったり、EGRによる燃焼効率だったり、バルブ開閉のタイミング(バルタイ)によるフィールの変化だったり要素が複雑に入り組んでいます。
ちょっと前のモーターファンイラストレーティッドが日産の開発担当エンジニアを直撃していましたが、やはり「負けを認めない」日産らしく、インフィニティのライバルになるブランドの主力エンジンを徹底的にベンチマークして、300ps/400psの二段階の設定にしたとか。結果としてBMW340i、キャデラックCTS-V、C43AMGといった面々を加速性能で軽くぶっちぎる性能になったとか・・・。ちなみに日本に導入されているHVのスカイライン350GTは、量産HV世界最速を謳っていますけども、新しいインフィニティQ50Sは0-100km/hが4.5秒。BMWのV8ツインターボ&AWDを装備した最速モデル(アルピナB6アルラッド)と同等の性能だそうです。ポルシェ911カレラS、718ボクスターS/ケイマンSとほぼ同等のタイムです。
400ps版のスカイラインが日本で発売されたらいったいいくらになるのか?北米価格が400psモデルで48000ドル程度。日産時代は北米並みの価格でしたが、現行スカイラインはちょっと高いので600万円前後になるのかなー。それでも718ケイマンSが800万円以上するわけですから、マキシマムな動力性能を求めるユーザーにとっては魅惑のグレードになりそうな予感です。すでに北米ではスカイラインクーペ(インフィニティQ60)の新型の発売も始まっていて、やはりV6ツインターボが搭載されています。当然に日本でも発売するだろうと思ってましたが、日産によると日本での発売は全くの未定だそうです。え〜・・・栃木で作ってんのになんで日本で売らないのー。
日産としてはビッグマイナーチェンジに踏み切って勝負に出たGT-Rをなるべく多く売りたいみたいで、潜在オーナーがGT-Rから流出するのを防ぐ狙いがあるようですね。なので年末にいきなり前触れもなく発売開始するんじゃないかと予想してますが・・・。これだけ発達したネット社会ですから、北米インフィニティのHPも手軽に見れます(バグが多いけど)。北米のカーメディア)CAR-and-DRIVERなど)は世界中で読まれることを意識して平易な英語で書かれていてこれまた手軽に読むことができます。日産がいくら隠してもムダじゃね?って気がするんですがね・・・それとも右ハンドルモデルを作るのが面倒なのかな。日本でもV6ツインターボが買えるようになることを祈ってます。