小学校の時に習ったと思いますが、「クルマを買う時はフラッグシップ車を選ぼう!!」って話をしたいと思います。やはりクルマってのは大前提として「安全」でなければならないですけども、そこにはしばしば「商業主義」という名のモラルハザードがあちこちに点滅します。150万円のコンパクトカーだろうが、600万円の高級車だろうが、大金を払っての買い物って意味では同じだから、あまりテンションが下がるような要素は勘弁してほしい。そんなリスクを避けたいなら、黙って何も考えずにフラッグシップを買えばいい。この買い物には間違いはない!!・・・と6年ほど前のまだブログも書いていない時分の私はそう感じていました。 しかし5年あまりブログを書いてきて、フラッグシップには「リスクヘッジ」以上のさらなる大きな魅力がある!!という結論にたどり着きました。フラッグシップモデルだからこそ語れることが多いし、あれこれと気がつくことも多い。開発者の想いが各部から伝わってくるようだ。これを読んだみなさんが、すぐに貯金を始めたくなるような内容にしたいな・・・と思っていつもあれこれ書いているんですが、たいがいは完全に逆噴射だったりしますね。今回は・・・。
第5位 トヨタ・クラウン
(4K)TOYOTA NEW CROWN TRD modified トヨタ新型クラウンTRDカスタム – 東京オートサロン2018 https://t.co/hHevTJcf7W @YouTubeさんから
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年1月26日
あまりにも有名過ぎてなんのインパクトもないかもしれないですけど日本を代表するフラッグシップ車です。本当にクルマが好きな人ならば、このクルマに詰め込まれた深い輝きに触れて、「これはすごい!!」って感嘆するところもたくさんあって文句ナシの「語れるクルマ」です。それと同時に『自称クルマ好き』なオッサンの知性をチェックするにはなかなか格好の素材だと思います。毎日のようにスーパースポーツに乗っている自動車ライターさんだと、ちょっと退屈に思うところもあるようでして、結構辛辣に書く人もいます。最近の中で強烈だったのは、ベストカーのカリスマライター・K沢さんが、クラウンよりも南アフリカ製セダンの方が断然にいい!!とか完全に喧嘩売っていたこと。・・・いや単に雑誌の売り上げを考えてバイハツが大好きなオッサンに迎合しただけかもしれないですが。 クラウンは今年中に新型に切り替わる見通しですが、いよいよクラウンも英国『風』の木目デザインから、インゴルシュタット調のサイバーデザインへと変わるみたいです。ハイブリッドと並んでトヨタのお家芸と言えば「エコプラスチック」。ドイツブランドは過給量でグレードを作り分けますが、トヨタは『フェイクウッド』の質感でグレード分けしてます。新入社員のカローラは全くウッド要素なしの黒かベージュの素地。係長クラスのプレミオ/アリオンのパネルは、あまりに「フェイク感」が強すぎるウッド調。課長クラスのマークX/カムリはかなり「ウッド」の質感に近くなります。 部長クラスのクラウンともなるともう「リアルウッド」に匹敵するような奥行きのある塗りはエコプラスティックながらも感嘆する出来栄え。最近では「フェイクウッド」のグレードが選ばれる割合は下がっているようですが、これだけのトヨタのこだわりならば選んでもいいかも。ちなみに内装だけで比較するならば、BMW3シリーズは「課長代理」、Cクラス/Eクラス/アウディA4は「次長」くらい!?
第4位 日産フーガ
Infiniti Q80 Inspiration https://t.co/YqQp7KvdWS @YouTubeさんから
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年1月26日
クラウンのライバル車だったセドリック/グロリアの後継モデル。初代モデル発売時にはV8搭載モデルが用意されるなど、日産がかなり本気で作り込んだ「アメリカ」向けのフルサイズセダン。アメリカ向けならアメリカの工場で作ればいいと思うのですが、やはりこのクルマと、スカイライン、フェアレディZ、GT-Rを混流生産する栃木・上三川工場は、今はなき東京・プリンス村山工場の意志を引き継ぐ日産の最前線という意味もあるようです。日産を買うなら「上三川」のクルマにすべし。 数年前は、輸出台数においてはトヨタ(レクサス)、マツダ、スバルが三強だったのですが、ここ数年で一気に北米でインフィニティブランドがブレーク。欧州や中国での販売も始まり、気がついたらトヨタ、日産、マツダの順に変わっていました。なんで「インフィニティ」マークなんだ!!とかいちゃもんつける人いますけど、32〜34のスカイラインや13〜15のシルビアやセド/グロだってそれぞれに違うマークつけてたのに、今更何を言ってんだろうか・・・。 何度か買おうかと迷ったクルマなんですけども、その度に不思議な「禅問答」が繰り返されます。「なぜフーガはこのスタイルなのか!?」「執拗にドイツブランドをターゲットにするのか!?」などなど。日産の技術の高さは十二分に示しているけども、このクルマを育てた特定の文化的背景ってなんだろう!?って踏み込んで考えると・・・あれ?根っこは意外と軽い(チャラい)ところから生まれてる!?そして次のモデル(Y52)でこれまでの2世代の存在は否定される運命なのでは!? 次が大本命モデルになりそうな予感!?
第3位 マツダ・アテンザ
NEW 2018 – Mazda 6 Skyactive 2.5 Super Sport – Exterior and Interior Ful… https://t.co/O8iEGpcBK0 @YouTubeさんから
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マツダが21世紀になってから使い始めた「アテンザ」という車名も、早いものでもう3代目になりました。同クラスの日本車セダン、例えばカムリ、アコード、ティアナなどは北米に大きな販売基盤があってモデルが存続していますが、このアテンザの前身は、ドイツで熱い支持を得たMAZDA626(カペラ)なので、欧州Dセグ市場の『消滅』によりグローバルに漂う「難民・フラッグシップ」となっています。 2000年頃にはアルファロメオ156、プジョー406、シトロエンC5、ローバー75などなど、各ブランドが想い想いにハイスペックなDセグサルーン(今のクルマとはアシが違う!!)を欧州市場で販売していましたが、リーマンショックで敢えなく壊滅に追い込まれます。Cクラスや3シリーズよりも大衆メーカーのDセグセダンの方が性能で完全に上回っていた!!という完全にクレイジーな状況でしたから、早晩にも崩壊は予測できたわけですけども、1990〜2000年代にかけてのDセグバブルの後期に完全に一人勝ちだったのが、MAZDAが起死回生を賭けて作った初代アテンザ(GG)でした。 未だにDセグ4ドアで歴代欧州COTYのファイナリストに残ったのは、プリメーラ(P10)、アテンザ(GG)、アベンシス(初代)の3台だけ。日本では評論家連中が全く理解できずに、話題にもなりませんでしたけども、GGアテンザは1年あまりで世界の100以上の賞を獲った紛れもない傑作モデル。リーマンショック後に開発された現行のGJアテンザは、あらゆるスペックをメルセデスやBMWの水準まで落としたコスト優先の設計になっていて、MAZDA藤原常務もフロント・ダブルウィッシュボーンの廃止には忸怩たる思いがあるみたいなことをインタビューで言ってました(それ禁句だろ)。 車体も大きくなった現行モデルは、そのまま北米市場へスライドしようという狙いがあったようですが、実は北米でもSUVブームによってセダン需要は下がってきていると言われています。さらに期待のディーゼル投入を狙った矢先に、某ドイツメーカーが大不祥事を起こしたために、予定通りの展開ができず・・・。中国市場では、初代と二代目が人気過ぎて今でもMAZDAライセンスを持つ合弁メーカーが生産を継続していて、「これ3代目?MAZDA6じゃないじゃん?」とか言われているようです。あれれー。
第2位 ホンダ・レジェンド
クルマでいこう! 2015/5/24 ホンダ レジェンド https://t.co/LWc7G4xbXo @YouTubeさんから
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ホンダやスバルといった日本の4輪車生産においては後発の部類に入るメーカーは、70年代から徹底して「性能」にこだわった製品開発をしてきました。スバル1000、スバルFF-1、スバルレオーネへの系譜だったり、ホンダ1300、ホンダアコード、ホンダレジェンドへと連なる「チャレンジ」こそが、世界との実力差を一気に縮めた原動力だったと思います。 そんな日本車の見果てぬ夢の現在地にいるのがホンダ・レジェンドです。クラウン、フーガ、アテンザの歩みとはまた違っていて、もはや最初から「市場のことは考えてない」んじゃないか!?というくらいに自由な設計をしてます。0-100km/hのタイムは4.2秒。プライドを捨ててAWD化したM5や、E63AMGといった2000万円超えのスーパースポーツセダンに匹敵するタイム!!しかも価格は700万円で、同じ4ドアのラグジュアリーセダン。まあ当然ですけど、これ誰が買うの!? 速さだけならスーパースポーツがあるわけで・・・北米でも全然売れてないです。コルベット並みに速いフルサイズセダンとかさー、いくらなんでも世界観を壊しすぎだって。
第1位 スバル・レガシィB4
レガシィ B4:パワーユニット https://t.co/U4RbUFxxFA @YouTubeさんから
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レジェンド以上にわけがわからないことになっているのが、スバルのフラッグシップ・レガシィB4。324万円でレザーシート、全席シートヒーター、パワーシートが付いてきます。前席ではなくて全席ですからね!!フラット4の2.5L自然吸気&AWDという隙のないユニットでこの価格なら安い!!けどスバルにとってはこれは社員用のクルマのようで、あまり売る気がないようです。これ買うなら、レヴォーグかWRXかBRZを買って〜!!って感じが出てます。 フラッグシップモデルの魅力って、「希少さ」ってのもあると思うんですよ。レジェンドとレガシィは町で見かけると「お?」ってなる。クラウン、フーガ、アテンザだとちょっと見慣れた感が・・・。現行レガシィB4は内装の充実が目立つけども、やはりこのクルマの最大の魅力は縦置きミッションを使う多くの高級車と同等に伍するだけのスムーズな加速をすること。「動き出しのマナー」こそが日本車の最大の美徳。それを無視してきた歴代プリウスが批判され、20年かかってトヨタは修正してきました。それでもプリウスのミッションにはまだまだここに出てくる5台とは歴然たる差があります。メルセデスやBMWはモーターも載ってないのにミッションがガタガタだったりするので、もう高級車ブランドであることを辞めた方がいいんじゃ!?まあ国が違えば高級車の概念もバラバラなんでしょうけど。