SUVがずっと売れ続けると思っている!?

『参考資料・自販連2018年9月速報値』へのリンク

 

5000台✖︎5SUVが揃い踏み

300万円くらいするSUVが毎月5000〜6000台くらい売れている。2018年9月の実績ではC-HR、ヴェゼル、エクストレイル、フォレスター、CX-5が5000台を超え、乗用車(軽除く)販売のトップ20の中に名前を連ねた。各メーカーから発売されている看板モデルのSUVが揃ってよく売れるのは2013年頃からの傾向ですが、当初は人気の偏りがやや見られました。5年経ってユーザーが一巡し、スバルが新型フォレスター投入で足並みを揃え、マツダもCX-5の供給体制が整ったようで、CX-5の新型販売直後の去年を10%を上回る数字を出しています。

 

スカイライン、アテンザ、アコードは廃止候補!?

9月のトップ20の車種を見てみると、まあ予想通りではありますが、クラウン、プリウスを除けば、SUV5台、コンパクトカー5台(ノート、アクア、カローラ、ヴィッツ、フィット)、スライドドア車8台という、売れるべくして売れているモデルだけの順当なランキングですねー。トヨタだけは例外的にセダンタイプの販売も成立していますけども、大まかには一人用コンパクトか家族用のピープルムーバーだけが売れていて、トヨタ以外のメーカーが日本市場に新型のセダン/ワゴンを投入するのは相当な無理ゲーなんだな・・・と改めて感じます。SUV/ミニバン/コンパクト以外の中型モデル(トヨタ以外)で50位以内にランクインしているのは、インプレッサ、アクセラ、シビック、リーフ、レヴォーグ、シャトル、ジェイドです。うーん・・・スカイライン、アテンザ、アコードなどの世界に誇る日本車は出てこないなー(もはやスポーツカーくらいの希少モデル!?)。シビック、リーフ、ジェイドがそこそこ売れているのはいい傾向ですけどねー。

 

SUVは計算できる

トヨタ以外はどーやっても主導権を握れそうもない日本市場。それでも月に1.5〜2万台くらいが現実的な目標となるマツダやスバルは、コンスタントに5000台売れるクルマが3〜4台あればいいわけです。どちらのメーカーもスライドドアを廃止しているので、とりあえずコンパクトカー/中型車とピープルムーバー=SUVから3〜4台のヒットモデルを確保すればいいわけです。CX-5やフォレスターですんなり5000台確保できるのであれば、まだまだチャンスはありそーです。

 

SUVを日本で20000台売る!?

昨日は別のブログでMAZDAの次世代ラインナップについてあれこれとどーでもいいことを語りましたけども、MAZDAはもしかしたらデミオやアテンザを廃止して、日本市場でもグローバルでも、SUV=ピープルムーバーだけで勝負の完全なる『一本背負い』になりそうなんんですよねー。日本市場が月に2万台もMAZDAのSUVを買うというのか!? BMWみたいにクーペタイプを追加して変化を出せば、(MAZDAはBMWとは違って)クーペSUVもかっこいいから同じように人気になって売れる!!(個人的にX2はナイスなデザインだと思う)とでも見込んでいるのだろうか!? 昨年発売のCX-8は上手く日本市場に着地しましたけども、「デザイン」「高級感」「3列シート」「ディーゼルがジャスト」という諸条件をことごとく満たしたクルマでしたし、売れそうな予感はプンプンしてましたし、これくらいの成功ならそれほど驚きはないですねー。むしろ好条件のクルマを上手くセールスに繋げられない過去のMAZDAらしさと見事に決別した!!という意味では良かったです。

 

MAZDAとスバルの生きる道

CX-3、CX-4、CX-5、CX-8がそれぞれ5000台ずつ売れれば計算上は20000台。確かにどのモデルも5000台は不可能ではない。少なくともアテンザやロードスターを5000台売るよりはずっと簡単だと思う。アクセラもデミオも作り方次第ではそれぞれ5000台は軽くいけそうだ。スバルもフォレスター、XVに加えて3列シートSUV(アセント?)のSUV3台ならそれぞれ5000台くらいは行くかもしれない。さらにインプレッサとレヴォーグを合わせれば5000台は行くだろうから、こちらも20000台は十分に射程圏内。5000台クラスを3〜4モデル作るとなると、経営判断でその中の2〜3モデルはSUVってことになるのかなー。SUVを主体にラインナップを考えるようになってしまうのも無理はないですねー。レガシィB4もアテンザももうすぐリストラ!?

 

 

SUVに食われているのは!?

SUVが売れるようになって、当然ながらスライドドアのミニバンは以前ほどは売れなくなった。結局のところは便利そうだからミニバンを買って、10年くらい乗った・・・もちろん使い勝手に不満はない。しかし出かける頻度や、ドライブへのモチベーションを考えると、ミニバン以外のモデルを選んだ方がカーライフが楽しめるんじゃないか!?って思ってくるらしい。そういう人々は次はSUVにしようかな!? あるいはスライドドアはさすがに抵抗があってミニバンは避けていたけども、ヒンジドアのSUVならば乗ってもいいかな!?というセダン/ワゴンのユーザーが新たにSUVに乗り換えているらしい。今に始まったことではないけども、セダン/ワゴンの状況は厳しさを増すばかりだ。SUVという一大ジャンルが確立されて以降はあからさまに、セダン、ワゴンの新型モデルは少なくなり、次々とモデルが廃止になっている。もうワゴンなんてどこのメーカーでどんなモデルが用意されているのか世間一般にはほとんど認知されていないだろう。『30秒以内に国内メーカーのワゴン車名を10台挙げてください!!』・・・N-ワゴン!!って感じかな。

 

熱狂的なファンを作るSUVは!?

そして次に気になるのは、今SUVに乗っている人は、果たして次もSUVに乗るのか!?ってことです。 80%以上の人が次もSUVです!!って答えている調査結果があっても、実際の消費行動は別の結果を招くことも。実際のところ良くて60%くらいじゃないでしょうか!?リピーターは6割程度。今ならば4割減っても、その分新規のユーザーが増えるでしょうけども、いつかのタイミングで新たにSUVユーザーになる人よりも、SUVから他のボデータイプへ乗り換えて行く人が多くなるだろう。それは2020〜2022年頃じゃないかと思われます。その時点でSUVの『一本足打法』のメーカーは、かなり危機的な状況に陥るのではないか!?具体的には三菱、MAZDA、スバル、ボルボですかね。5000台売れている5台の看板モデルSUVは、今後どれだけ熱狂的なファンを増やしていけるのか!?

 

ドイツプレミアム離れの真相

平均単価が300万円くらいの5台の日本車SUVが揃って5000台も売れているのだから、輸入車ももっと売れて良さそうですが、BMWが230万円で1シリーズの未使用車を売り捌いて頑張ってもブランド全体でわずか3000台しか売れなくなっている。2018年に入ってからアウディもメルセデスもかなり低調に推移していているけども、代わりにフランス車が好調ではある。しかしドイツ車に乗っていた人が、フランス車に乗り換えるとは思えない(ゼロではないと思うけど)。ハッキリ言ってフランス車には典型的なドイツ車との互換性はないと思う。ドイツブランドの美点はシャシーとかボデーとか言う人多いですけど、「気密性」のレベルがかなりいい感じなんです。フランス車ってここがガバガバ・・・上級モデルでもガバガバ。もうちょっと気にしろ!!って思う。ボルボもスッカスカなんだよなー。

 

ドイツ車を迫害する日本車SUV

そんな「気密性」を売りにするドイツプレミアムブランドからユーザーを奪ってそうなモデルって・・・C-HRだと思います。C-HR、CX-5、エクリプスクロスなどはドイツ車っぽい「気密性」をうまく実現している(さすがドイツで伝統的に人気の3ブランド)。特に台数が多いC-HRは完全なドイツ車キラー。ターボ中心のドイツ車に対して街乗り燃費が圧倒的な『THS』は魅力十分。292万円の上級グレード『G』を選べば、7万円のオプションで高品質な本革レザーシートが選べるし、電動のランバーサポートまで付いてくる。これだけでアウディ気分!? しかも斬新でよくまとまったエクステリアデザインには、3〜5万円の塗装オプションで2トーンカラーが豊富に選べる。これが最新鋭の欧州車っぽくて気になるよなー。それでいてドイツ車みたいにハンドリングもサスの具合もいい感じにまとまっている。トヨタにしては信じられないくらいに隙がない1台だなーって思います。G&本革2トーンで乗り出しは300万円をいくらか超えちゃいますけども、こんなの出されたら、正直言って230万円の1シリーズじゃ全く勝負にならない・・・。

 

トヨタが再び暴走するか・・・

C-HRはまあ売れ続けるだけのことはありますねー。トヨタってここまでやるメーカーだっけ!?・・・ホンダをぶっ潰す時だけ異常にストイックになるんですよねー。SUV戦略に出遅れたトヨタはよっぽどいいものを作らないと挽回できないと思ったでしょうし、目の前でホンダ・ヴェゼルが月10000台以上の大ヒットを続けていました。ホンダ車の異例の大成功に、さぞかし嫉妬の炎を燃やしたことでしょうね。現在は日産ノートにかなり好き勝手にやられて、CMでもしつこいくらいに「ナンバー1ヒット!!」を連呼されているという緊急事態の中で、着々と開発が進んでいるであろう次期アクア(来年FMCらしい)は、おそらくトヨタが隠している何か凄いことを盛り込んでくると思います。そんな次期型アクアが、これまでアクアに見向きもしなかった多くの自動車難民のハートを不意に貫いたりしたら、その時はアウディ、BMW、ボルボなど有力メーカーの中には日本からの撤退を決断するところが出てきそうだ・・・。

 

指名買いが得られるクルマを作れ!!

トヨタ以外のブランドにとっては、トヨタを完全にだしぬくくらいの技術的なブレークスルーと、それを的確に販売につなげるマーケティング能力。そして熱狂的なファンを多く集めて、どれだけ安定して指名買いが得られるのか!?が日本市場で生き残る道だと思う。SUVに頼っているメーカーもそれほど頼っていないメーカーも条件はあまり変わらないのかもしれない。さてBMWとボルボは来年あたりに日本での生き残りをかけて、エース同士が激突します。新型3シリーズと新型S60/V60がガチンコで対峙して相手を上回った方が日本にとどまる!?どちらも期待以上のモデルになりそうな予感が・・・。

 

 

「VWとBMWの軌道修整」

 

 

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