俺たちは暇じゃない
電車が夜中まで走っている地域に住んでいる人にとってクルマってのはさー。いきなりだけど、結局は「操縦性」を考えるべきなんだと思うよー。東京近郊の住人が盲目的にドイツ車に乗ろうとするのは、メルセデスやBMWには「走り」の満足感と、「所有」する満足感があるからなんだろうけど、それに引き換え国内メーカーは・・・。SUV、ミニバン、コンパクトカーを大量に売り捌くのが仕事だと思っているのかな!?いったい日本製のSUVがいつまで中国で売れると思っているのだろうか!?北京モーターショーはSUVが無限にあるぞー。
イメージリーダー不在
メルセデスといえばEクラスやCクラス、BMWといえば3シリーズってな感じで、セダンがイメージリーダーになっているのに対して、日産といえば・・・おそらく多くの人はスカイラインよりも前にノートやセレナを連想するだろう。スバルならフォレスター、マツダならCX-5、ホンダならフィットかN-BOX、三菱はアウトランダー。どれも人々の生活にとっては素晴らしいクルマですけどね。それらのクルマを売ることももちろん大切なのはよくわかる。しかし現実問題として、都市の住人は日本メーカーのディーラーになかなか足を運ばない。だって「つまらない」クルマに乗るほど暇じゃないし。とりあえずラインナップの目立つポジションに、「走り」や「所有」の満足感を追求したイメージリーダーくらい置くべきだ思う。350万円くらいで!!(350万円あれば新品のCクラス、3シリーズが買えちゃうわけだから)
某大手メーカーの過去
ひと昔前のトヨタは、クラウンの上級モデルに、セルシオ、マジェスタ、アリスト、ソアラなどがあり、高級車の可能性をあらん限りの発想で追求していたと思う。まあそういう時代だったわけだけど。1991年頃のトヨタは、間違いなくメルセデス、BMWを超えていた。もちろん景気が良かったというのもあるけどさ、バブル期の日本車は変な言い訳はせずに真っ向から「いいクルマ」を作ろうとしていたし、それぞれのブランドには、「走り」と「所有」を十分に満足させるモデルが用意されていた。今でも多くの人があのイタルデザインが手掛けた初代アリストには畏敬の念を持つと思うが、同時期のBMW5シリーズ(E34系)なんて誰も知らない。
忙しくてもドライブに行きたくなるクルマしか買わない
都市に住んでいる人は、めちゃくちゃ割高な家賃あるいは住宅ローンを払うために、せっせと働いている。12万円くらいは家賃に消える。クソ低金利のくせにディーラーローンの金利は7%!!公共料金や税金の滞納に課せられる金利は14%だけど、その半分も金利を払ってまで欲しいクルマがどこにあるんだ!?とりあえず忙しいから、特に何も感じないクルマを運転して、くだらない渋滞にはまるなどして、貴重な休日の時間を使っていたら、確実に日々のパフォーマンスが落ちる。土曜日の朝5時くらいに幹線道路を走っていると、あーなるほど・・・っていうクルマがかなり高い割合で走っている。ポルシェ率がやたら高い!!ロータス!!ジャガーFタイプ、そしてメルセデスSL。高級スポーツカーだけではないです、プジョー307カブリオレ、BMW330iカブリオレ、アルファロメオ・ブレラ・・・。まあそーだよね。せっかくの貴重な時間をドライブに当てるなら、楽しめるクルマにしないと割に合わないよなー。もー結論は出てる。
カネなら余っているからさ・・・
駐車場が狭くて雨が多い日本でわざわざ2ドアやカブリオレに乗ったりってのは確かに抵抗がある。ちょっと変わった人がやることだ。それでもバブル期の日本には、決して2ドアではないし、オープンモデルでもないけど、「走り」のパフォーマンスに秀でていて、格調あるエクステリア&インテリアに恵まれた「満足」なクルマがたくさんあったのだが、今ではどこのメーカーも日本市場には後ろ向きになっているよなー。実際のところカネは余っているんだ。みなさんどーでもいいことにカネ使ってるなーって思う。そんな今の日本市場で最高にクールな自動車ブランドとして確固たる名声を確立できたなら、中国からも米国からも欧州からも引く手あまただと思うんだが・・・。ということでスポーツをすっかり忘れて、「意味不明」なモデルに成り果てている日本車5台です。
1、トヨタ・カローラフィールダー
2000年頃にトヨタには「カルディナGT」という280psのハイエンドなワゴンがあった。プリウスとマークXの中間ぐらいの車格で、ちょっと前までは後継車のアベンシスワゴンが販売されていた。国内専売のカルディナGTは「バブルの残り火」であり、欧州マーケットを意識した現地生産のアベンシスワゴンは、欧州COTYのファイナリストにもなったけど、トヨタは大きく仕様を変えるという手間を惜しんで、ハイブリッドに注力していた時期だったから、まあ時代が悪かったかなー。
なんとも後味が悪いままアベンシスも廃止され、欧州で専売されているオーリスワゴンの後継になるのが、TNGAのカローラ・フィルダー。かつてはヤマハがチューンした190psの可変バルタイ1.8Lユニット(トヨタ版Vテックとか言われていた)を積んでいた時代もあったけど、現行モデルにはごくごく平凡な4気筒、もしくは古い世代のTHSを使ったハイブリッドが用意されているけど、300psのレヴォーグや、ディーゼルがピッタリの3シリーズツーリング、Cクラスワゴン、アテンザワゴンと比べてずっと地味な存在だ。いよいよレヴォーグと同じ車格のシャシーが与えられるのだから、あの社長ならなんか期待しても良さそうだけどなー。
2、ホンダ・オデッセイ
あんなにいいクルマなのになんで売れないんだー!!とホンダは頭を抱えているらしいけど、そりゃそーだよ・・・ホンダに期待しているのは、ミニバンにしては異常に走りが良いクルマではなくて、スライドドアミニバンなのにBMWよりも走りがいいクルマなんだからさ。ムチャ振りなのはよーくわかっているけども、ホンダっていう日本で最後発の4輪メーカーは、アメリカも欧州も見事に超えてきたわけだから。初代NSXの発売時には「フェラーリは博物館行きだ!!」と力強く宣言した。奢れるものは久しからず。
初代オデッセイにはBMWは相当に慌てたらしい。3列ミニバンに4輪DWBを配して、エンジンはもちろん高回転自慢のVテック。自然吸気Vテックは9000rpmとかいうフェラーリ級の領域まで回っていたから、そりゃ焦るよなー。実際にアメリカでは大ヒット。米国CAR AND DRIVER誌では、今も畏敬の念を持って星5つを献上している。もっとも日本のクルマとは全然別物だけども。ホンダはスポーツカーをあれこれ企画しているし、乗用車モデルもことごとくクラスの水準を考えたら非常にいい走りなんだけども、やっぱりアメリカで売っている自然吸気Vテックのアコード、シビック、オデッセイが揃い踏みしないと元気出ないと思う。CR-Vじゃないって・・・。
3、スバル・レガシィB4
なぜスバルのフラッグシップである現行レガシィB4には、STIによるコンプリートモデルが設定されないのだろうか!?・・・全てはこの疑問に尽きる。うがった見方をすれば、スバル内部では、北米市場にスリスリしただけのレガシィB4とアウトバックを少しばかり軽蔑しているところがあるのかも。豊田章男社長が自社のプリウスを「すげーかっこ悪い」と堂々と発言するように、レガシィB4に乗る日本人なんてセンス無さ過ぎだろ!!くらいに思っているんじゃないか不安になる。当然に購入する段になって無性に気になる。メーカーに愛されていないモデルなんて誰も欲しくないし。
AWDの価値を金額で評価してくれるアメリカで売った方が儲かるから、わざわざ手間暇かけて日本仕様にして日本で売る必要はないのだろう。だって工場フル回転なんだよー!!STIなんか作っている暇は全くない!!ってのが正直なところだろうけども、動画にあるようにほんの10年前には「S402」という伝説級の名車があったりするから、現行レガシィB4が冷遇されているのでは!?とどーしても感じてしまう。ちなみにS402は、中古車価格が新車価格を全く下回らないという、NSX-Rや34GT-Rに匹敵するスバル史上最高のプレミア車。今のS208などの新車価格高騰は、このS402から始まるプレミア期待が あるから・・・。それにしても先代レガシィからすっかりアメリカンサイズになっていて、S402の頃と10年しか変わらないのに同じレガシィB4とは思えないくらいに変貌しちゃってるよなー。
4、スバル・フォレスター
初代の登場時には全グレードがAWDターボの280psのみ。どっかの漫画キャラが「AWDターボじゃなければ、クルマにあらず」とか言ってたけども、スバルと三菱は「世界を掴みつつ」もその思想を十分に完徹できなかった。ターボ化しても高回転域が十分に使える水平対抗エンジンは、クロスオーバーの車高をカバーできる低重心の設計。縦置きされたユニットはフルタイムAWDを効率よく駆動させる。本来だったら、スバルはフォレスターを完全無欠のスポーツ・クロスオーバーとして、世界のあらゆるメーカーの上にそびえ立っていなければいけなかった。縦置き・水平対向・ターボ・AWDというスバルの基本コンセプトをそのまま尖兵化すればポルシェ・マカンにとって変わるようなモデルになれたはず。
1997年の初代発売から20年以上が経過。2018年になってとうとうターボモデルが消えてしまった。レガシィのフルSUV版みたいに自然吸気ボクサーと、マイルドハイブリッドの『eボクサー』で登場してきました。22年前の世界を刷新しそうな勢いはそこにはなく、ただただ日本市場のファミリーSUV市場にうまく収まるような、そつのないデザイン。ノアとかセレナを連想しそうな柔らかい顔をしている。失礼を承知で言わせてもらうと、「魂」が抜けた顔ってこんなじゃないか!?ひたすらに運転が退屈そうだな・・・。
5、マツダ・アテンザ
ありえないくらいに迷走しているのに、現行モデルで一定の評価を勝ち取っているアテンザ。デザインに落ち着きと高級感がみなぎっていて、多くの人々のイメージを良くしていることくらいはわかってるけど、初代アテンザのスタイリングからして既に同時代の欧州ブランドをフルボッコにするだけのことはある。身近にいるクルマ好きが「最近のマツダはデザインが良くなったよね」と言っていたら、そいつは偽物だ。マツダデザインも欧州デザインも何もわかっていない。・・・デザインの話はどーでもよかったんだ。今回はスポーツがテーマだ。
「最近のマツダは良くなったよね」・・・笑わせんじゃねー。10年とか15年スパンで比べたならば、マツダよりもトヨタの方が圧倒的に進化していると思うんだが・・・。20年前のトヨタ車は、ハンドリングもブレーキングも坂道での加速時も、あらゆる点で「大事なところ」が滑りまくっていた。あれに比べれば、昨今のCVTミッションのフィールなんてまだ余裕で許容できる。マツダは20年前からハンドリングもブレーキングもガッチリしていた。ある程度の車格のクルマなら、おそらくトヨタの方が耐久性があって乗り心地もいい。・・・けどマツダに乗ってから、トヨタ車は二度と運転したくなくなった。そして最近のマツダはなんだかトヨタっぽい乗り心地をさりげなく追求しているんだよな・・・。
現行アテンザは静かで上質な加速ができるいいクルマだ。同レベルの欧州車よりもこっちの方がいいんじゃないか!?って思っても全く変ではないと思う。しかし先代までのアテンザは、それに乗ってBMWやアウディに試乗に行くと、アレ!?なんでこんなにミッションがクズなの!?なんでこんなにハンドリングがテキトーなんだ!?・・・と試乗の高揚感の中でもかなりハッキリと試乗車の欠点を教えてくれる素晴らしい基準車だ。乗用車に限定するならば、ハンドリング、アクセル、ブレーキ等々の乗り味で完全に負けるクルマは1台もなかったと思う。ホンダ勢(先代アコード、レジェンド)か、ゴルフ、4シリーズか・・・ってくらいだったかな。そんな「無双」こそがアテンザの名にふさわしい。
「ホンダもメルセデスGLAを選ぶ輩にアレコレ言われたくないだろうに・・・」
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