日本と欧州は通じ合えないのか!?
輸入車ガイドブックが休刊になってしまった。どーも日本では世の中全体に「輸入車を買うヤツは馬鹿」みたいな、全くもって低次元なとても良くない風潮が漂いつつある。誰がそんな情報を流しているのだろうか!?ちょっと気なる『火元』はよりによって「ニューモデルマガジンX」とかいうほぼ日本メーカーの新型モデルを潰すためだけに存在する雑誌。話題の日本車をあれこれレビューしては、輸入車の方が優れていると散々にあげつらった上で、比較対象の輸入車も「買うに値しない」と却下する最低な雑誌だ(これを読んでクルマ欲しくなる人はいないと思う)。さらに最近では2回連続して祓川とかいうアンダーグラウンドなライターが、「輸入車の中古は絶対にオススメしません!!ハッキリ言ってほぼ産業廃棄物です!!」くらいのニュアンスで、カーセンサーエッジ(輸入中古車専門雑誌)に喧嘩を売っている。
日本COTY2018・・・
輸入車だからダメ、日本車だからイイ・・・ってそんな単純な話じゃないと思うけどなー。さて今年の日本COTYもボルボXC40、カローラスポーツ、VWポロ、クラウンと、まあ言っちゃ悪いけど、ノミネート中でなんでこうもハンドリングがお粗末なモデルばかりが上位になっちゃうんだろう!?理解できない不思議なことが起こっています(2年連続で吉利汽車の暗躍、来年はV60か!?)。機能的でスマートなクルマを決めましょう!!ってそんなの素人でもある程度はわかるから!! 2018年の自動車市場の磁場を変えようとしている意欲作は5位以下に固まっている・・・。
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— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年12月8日
VWゴルフとは何だったのか!?
2013年頃にあれだけ話題だったVWゴルフはどーなったんだろうか。トヨタ以上メルセデス未満・・・それがフォルクスワーゲンだー!!という結論ありきのクルマ談義がカーメディアの定番でしたけど、その風潮がそもそもおかしくねーか!?と最初から疑問でしたね。そこで実車を試乗・検分の上で、メルセデス(Aクラス)以上でマツダ(アクセラ)未満・・・それがフォルクスワーゲン・ゴルフだ!!みたいなことをブログで書いていたら、「乗ったことあります!?」とかわけわかんないコメントが来る。それはこっちのセリフなんだが・・・。走りに徹したマツダ、いい意味で欧州車の枠を超えたフォルクスワーゲン、なんの感動もないメルセデス・・・この結論で問題ないと思ったが、「乗り味に正解はない」とか言って来るバカがたくさんいるんですよね。正解とか正義ってのは時と場合によって変わるかもしれないけども、それを「ある」って言えない人々はクルマブログで意見を言うべきではない。
欧州車のレベルを突き抜けた!!
2013年の段階では世界のCセグはことごとく日本メーカーが手がける設計を使うクルマが支配していた。フォードとボルボはマツダシャシーを流用、ルノーと日産のシャシー開発も統合され、メルセデス、アルファロメオ、韓国メーカーは三菱製シャシー、フィアット&GM、PSAは衰退。そんな中でフォルクスワーゲンだけが、唯一と言っていい日本メーカーと張り合えるシャシーを開発した。完全に過去のものになりつつあった欧州自動車産業の最後のプライドって意味でフォルクスワーゲンとゴルフは素晴らしい出来栄えだった!!まさか日本メーカーと張り合える欧州メーカーが出てくるとは・・・。さすがにアメリカ市場で日本勢を蹴散らすほどのインパクトは出せなかったけど、アメリカ雑誌から高い評価を得ている唯一の欧州Cセグがゴルフ(スペシャルティのM240iは除く)。
ワーゲンとマツダへの理解
VWゴルフもMAZDAアクセラも極論すると「正解」がわかっている人のクルマ。もちろんVWだからMAZDAだからといったブランド論ではなくて、ホイールベース一つを例に取ってもなぜアクセラは2700mmでゴルフは2635mmなのか!?独断と偏見を恐れずに判断するならば、MAZDAは「柔」から、VWは「剛」からクルマ作りを立ち上げている。これが逆では全てが成り立たない。日本で設計されたアクセラと、ドイツで設計されたゴルフ。どちらも「本家」のエンジニアリングに流れる思想を確実に受け継いでいる。メルセデスAクラスのようにどっかの日本メーカーの設計を使って仕上げたクルマなどは、あれこれ考える間も無く、乗ってみた瞬間に「なんか違うよな・・・」もうそれ以上の関心が持てない。おそらくこのシリーズに未来はない。
多国籍シャシー
Cセグなんて大衆モデルでしかない!!語るに値しない!!という意見もあるとは思う。プリウスが日本で売れて以降は、共通プラットフォームでひたすらに「機能性」を詰め合わせるだけのクルマが増えたのも事実。そんな中で、吉利汽車&ボルボが共同で開発したシャシーが日本COTYを二年連続でとってしまった。確かに去年のXC60も今年のXC40も悪いクルマだとは思わないけど、機能性の足し算で作られているという意味ではプリウスやアルファードみたいな存在に過ぎない。ルノー&日産のシャシーもしばしば冴えないように、「グローバリズム」時代を象徴する「多国籍開発シャシー」には、ストイックさよりも汎用性が求められるのは自然な流れであり、サプライヤーによるソフトコンテンツでクルマの商品力を必死で上げる時代になりつつある。「快適」だけを評価基準にするのであればそれは結構なことだけども、クルマを運転している間ずっとハンドリング、ペダル、シートからのインフォメーションが作り出す「乗り味」ってものに、カネを払いたいという人にとっては現状は非常に不満が残るのかもしれない。
日本とは!?ドイツとは!?
大衆車のグレードでしかないCセグで、今も「ドメスティック」な開発姿勢を見せているのがVW、MAZDA、HONDA、SUBARU、TOYOTA、PSA。残りは多国籍だったり三菱、旧MAZDA、旧HONDAシャシーの流用だったりする。BMWの縦置き1シリーズは、元々は3シリーズのショート版の後継に当たるスペシャルティカーみたいなもんだ。しかし残念ながら6つのドメスティックなCセグに対して「設計面の不利」ゆえにほとんど競争力を得られないかった。どーしてもビーエムに乗りたいー!!って人にはそこそこ愛されたようだが。Cセグの評論が好きなのは英国メディアだけども、後輪駆動の1シリーズ、ゴルフ、MAZDA3(アクセラ)・・・よりも圧倒的に高い評価を受けているのが旧MAZDAシャシーを使い続けるフォード・フォーカス。
Cセグの頂点
MQBもスカイアクティブも、旧MAZDAシャシーの前にもしかしたら全く歯がたたないのか!? メルセデスAクラスやBMW1シリーズを完全に子供扱いできるくらいのゴルフやアクセラが、フォーカスに全く勝てない。2000年代のMAZDAが走りに振り過ぎたってのはあるんですけど、機敏さは諸刃の剣で、跳ねてばかりだったあのMAZDAシャシーを熟成させた欧州フォード車を日本でも乗りたいなー・・・(中部地方にフォード専門の並行輸入業者があるらしいが)。
C セグの未来は・・・
VWもMAZDAも多少困惑するだろうけど、ゴルフとアクセラにはCセグの運命がかかっている。自力でシャシーを開発するつもりがないフォードは、先日VWとの包括的提携を発表し、フォーカスの終焉とともにMQBの流用が後継モデルになる可能性がある。ホンダ、スバル、トヨタ、PSAは、結局のところスポーティにキメたサーキットユーザー向けモデルで稼ごうとしている。いずれもモータースポーツにルーツを持つ熱心なメーカーなのだから当然のことではあるけども。「FFではスポーツしない!!」と宣言するMAZDAと、チェコ車でも、スペイン車でもなく「ドイツ車」であり続けようとするVWは、「拡張機能性」でも「スポーツスペシャルティ」でもない、ただただドライビングインフォメーションに優れた「いいクルマ」という領域をCセグに残す最後の希望。HIROSHIMAとVOLFSBURGは、もう古いのか!?それとも再びクルマの時代を復活させるのか!? 2000-2010年代をリードした両ブランドは、2020年に何を成し遂げる!? 日本ラウンド、英国ラウンド、ドイツラウンド、米国ラウンドの今後が気になるなー。
「VWゴルフの『謎』」
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