トヨタが自由に戦略的SUVを作った・・・そりゃ地獄だ
トヨタが日本でも発売した4500mm級のCセグSUVであるRAV4は、大ヒットを遂げたC-HRを超えるべく、開発者&デザイナーの気合を感じる。他の新型モデルを見てもここ数年はトヨタとしての方向性が見えているようだし、それを裏付けるように巨額の利益も出しているので、開発チームにも変な制約もプレッシャーもなく、優秀なエンジニアがのびのびクルマを作っているんだろーなという雰囲気を感じる。
前回までの結果をまとめると
第12位 日産エクストレイル 23点
第10位 メルセデスGLA、VWティグアン 25点
第8位 スバルフォレスター 26点
となっている。条件は「500万円以下のモデル」だけ(アルファロメオは該当車なし)。結果は下位だけども、さすがは13ブランドというべきか、最下位のエクストレイルでもいくらでも褒めるところがある。最下位だけど欧州で一番売れてる日本車でもあるし、SUVのシリーズとしては欧州ブランドを含めた上でのディフェンディングチャンピオンだ。欧州車、韓国車、日本車がこのエクストレイルの首を狙っている・・・。
前回のリンク
「トヨタRAV4 と 13ブランド比較」
第8位 アウディQ3 26点
(静粛4、ハンドリング3、出力3、燃費2、インテリア4、エクステリア3、サス4、ミッション3)
日本のファミリーカーと比べてみて!!
誰もが知っていることだけど、VWゴルフなどが使うMQBプラットフォームを使ったSUVで価格は369万円〜。大雑把に言ってしまえば、1.4LターボのFFモデルが乗り出し400万円クラス、2.0LターボのAWDモデルが500万円クラスとなる。トヨタ・アルファードが乗り出し400万円クラスで大ヒットを遂げ、ハリアー、マツダCX-8、CR-V、RAV4とSUV勢が後に続いた。CセグベースのSUVしかもアウディ!!これが400万円クラスで買えるならばお買い得では!?1.4Lターボも国沢光宏というカリスマ自動車ライターによれば、最新のマツダのエンジンよりも全然出来がいい!!と最近書いていたよ。なんで売れないのだろう!?不思議でしかない・・・国沢氏のエンジン評価がまともだとするならば。
アウディという難しさ
レクサスと同じで巨大メーカーの中で「利益」を稼ぐ使命が課せられているアウディですが、なかなか「利益込み」で売るのは難しい部分もありそう。ゴルフの1.4Lターボは331万円であることを考えると、同じエンジンでSUV化されているアウディQ3の1.4TFSIが369万円は手頃だし、同じエンジンのA3が296万円でゴルフよりも安いのは不可解ですらある。アウディへ客を呼ぶための「パンダ」だ。ブランドの車両単価は500万円以上にしたいアウディにとって「Q3」を磨きあげるモチベーションはそれほど上がらない・・・この辺の温度が市場にハッキリと伝わってしまうから、デフレマインドの日本でプレミアムブランドを展開するのは難しい・・・。
第6位 BMW・X1 27点
(静粛3、ハンドリング4、出力3、燃費3、インテリア3、エクステリア3、サス4、ミッション4)
ビーエムじゃなければ大ヒット!?
FF化によって人気が鈍化しているというX1ですが、ビーエム以外のブランドで発売されればもっと人気が出そうな気がする。全く失礼な話だけど、ビーエムのファンは「FR」「50:50」など原理主義的な(ステレオタイプな)主張を真顔でしてくる真面目な人が多い。そんなつまらん理屈でクルマを選んでるのか!?って唖然とさせられる。私のブログのコメ欄でもオラオラな雰囲気で「50:50」やら「シフト速度」やら平気で書いてきますけど・・・10年以上前からビーエムには「50:50」への疑惑が溢れているし、メーターを弄っていて変速を早く見せる演出をしているんだけどな、それをマジレスしてあげるとスゴスゴと消えていくイメージ。そんな連中にはX1はまともに評価されないだろう。
輸入車SUVの代表選手
日本にやってきている500万円以下の輸入車SUVの中で、「走り」に関しては先頭に立つ存在だ。SUVにしてはスッキリとしているハンドリング、トルフフルな昨今のビーエムエンジンとSUVの相性も良い。日本製横置きミッションでスムーズでダイレクトな加速。商品力としては「隙が少ない」のだけど、ビーエムであることでそれらの意味が否定されてしまうのが残念無念だ。北米で結果を出している日本勢が日本市場にも勢ぞろいした。RAV4、CR-V、CX-5は、いくつかの決定的な部分で日本市場の常識を変えた。日本車でありながらも、走っていてなんだか規格外の魅力が備わっている。しかし走りだけならばX1も遜色はない水準にある。あまり派手ではないけども、機能美を有しているインテリアも悪くないし、エクステリアもBMWの中では最もイケメン。RAV4に対する最強の刺客はこのクルマかもしれない。
第6位 レクサスNX 27点
(静粛4、ハンドリング3、出力4、燃費3、インテリア4、エクステリア2、サス3、ミッション4)
MCシャシーを使ったレクサス・・・
レクサスUXを街中で見ると、「へー」ってなる。このNXよりさらに下のカテゴリーのSUVだけど、思った以上に高級感ある。RXとNXは開発時期や開発期間の問題なのかもしれないが、いまいち大きなインパクトを与えられてなかったけども、RXやNXの次世代モデルでは何か目がさめるようなエモーショナルを見せてくれそうだ。レクサスとトヨタの裏事情を暴露してしまうと、横置きFFのC/Dセグには下級の「MC系」と上級の「K系」の二種類のプラットフォームがあり、どちらもTNGA化が進んでいる。現行プリウス以降のモデルはTNGA化されているが、それ以前に登場したNXとハリアーは「MC系」が、RXには「K系」が使われている。そしてC-HRは「MC-TNGA」でRAV4は「K-TNGA」となる。
RAV4には勝てない!?
つまり現時点ではNXよりもRAV4の方がクルマの限界値も高く、フラットで静粛性に優れたユーティリティやドライバビリティを感じやすくなっている。1998年のデビュー以来ハリアーは北米ではレクサスRXと呼ばれていたけど、現行では「K」と「MC」に作り分けられている。シャシーを格下げされたハリアーを再びレクサス化したのが「NX」。トヨタの経営合理化の歪みによって生まれたハリアーとNXはユーザーにその事実をひた隠しにしてうまく売り抜けていたのはさすがトヨタというべきか。RAV4投入&大ヒットによってそんな「ごまかし」は解消され、次期ハリアー、NXも「K」になるだろうけど。
第4位 ホンダCR-V 28点
(静粛4、ハンドリング4、出力3、燃費3、インテリア4、エクステリア3、サス4、ミッション3)
ホンダのヒエラルキー
400万円クラスを主張する価格が、日本市場で大きく販売を伸ばしきれない要因。現行オデッセイも非常によい仕上がりのミニバンだけども、価格がネックになっている。ホンダはCR-V、オデッセイ、インサイトは400万円クラスであり、シビック、ジェイド、ステップワゴン、ヴェゼルが300万円クラスという強気なヒエラルキーを敷いている。さらにアコードは500万円クラス、レジェンドは700万円クラス。ホンダとしては当然の要求額なのだと思う。どのモデルも価格帯以上の価値が備わっているので、熱烈なファンは一定数存在する。
ホンダの哲学がわからないヤツは・・・
欧州ブランドやMAZDAのようにエモーショナルなエクステリアを追求することも可能なのだけど、キャビンスペースを犠牲にしてまでデザイナーが描くファーストイメージに沿ったエッジの効いたものにするつもりはないようだ。CR-Vにしても最初にボデーのサイズが決まってしまっているから、そこから無理にMAZDAやジャガーのような艶やかなエクステリアは作れないのだろう。ホンダが大事にしているものがよーくわかる人には響くモデル。何もわかってないヤツはCR-Vのデザインがあーだこーだと言っていることだろう。もっとホンダが理解されるといいなー・・・と思うけど。
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