トヨタ・ハリアー
トヨタから2台も選出してしまって申し訳ない。ヤリスに劣らず半端ない意欲作のハリアーだけど、車幅も大きく広がってエア・インテークを加えた顔は思ったほどに冴えがない。なんだかタイムレスにぼやけた感じで1990年代、2000年代、2010年代にそれぞれこんな顔つきのクルマがあったような気がしないでもない。デザイナーとしては1998年から続くハリアーの歴史を重んじたのだろうけど、特別なクルマという印象はあまりない。カムリやRAV4にも言えることだけど、北米主体モデルに「日本向けフェイス」を用意して仕立てる後付けな作り方が、デザインの統一感を損なっていてぼやけた印象を与えていると思われる。
国内某社の世界的大ヒットSUVをターゲットに、遮音性の高さやフラットな乗り味を作り込んでいる。決して凡庸な性能のクルマではないし、価格以上の価値を提供してくれている日本メーカーのアッパーミドルの「お手本」のようなクルマだ。それだけにデザインを含めて完成度を高めて欲しかった。しかしハリアーにCX-5のエクステリアを貼り付けたクルマをマツダファンが欲しがるかといえば、それはほぼゼロに近いと思う。トヨタが本気を出せばマツダを沈黙させることができるのはよくわかったけどさ、なんで2020年にもなってCVTでドライブしなければならないの!?