MAZDAの売り方
「コモディティではない」クルマを作っているというプライドを突き通すならば、ある程度の線引きは必要になるのではないかと思う。ドイツブランドのように「メルセデス」と「AMG」、「BMW」と「M」といった感じで、ざっくりコモディティとクラフトを分ける方法もあるだろうけど、日本で10万台も売る予定の上級モデルを「AMG」や「M」みたいな区切りで差別化するのはちょっと違う気がする。自社製造のエンジン、ミッション、AWD技術にこだわってきたのだから、「MAZDA」というブランドネームにすでにクラフトの意味合いが含まれている。むしろ基幹モデルを担当するFFシャシーモデル、あるいは他社とのアライアンスを使うなどしてMAZDA3やCX-30よりもリーズナブルな価格が実現できそうなMAZDA2やCX-3の後継モデルだけを別枠にして「サブブランド」化するのが良いのかもしれない。
小型モデル専門のサブブランド
MAZDAがプロデュースする最強の小型車ブランド。なんかとてもワクワクする響きがある。ライフスタイルを彩るオシャレなのにリーズナブルな小型車を展開しつつも、アバルトやMINIのような強烈なホットハッチ・ブランドの顔も持っている。メルセデスやBMWのブランドアイデンティティの中に、手軽な価格のホットハッチが入り込めないように、新生MAZDAの大型サルーンや大型SUVと、スポーティでドライビングの楽しいMAZDA2のようなモデルは単一ブランドでの共存が難しいと思われる。アウディA1のように肩身の狭い存在にしておくほど、デミオ&MAZDA2の価値は低くない。MAZDA初のWCOTYを獲ったシリーズでもあるし、前田育男さんの大出世作も3代目デミオだった。