MAZDA・CX-5
あらゆる意味で幸運
2012年の発売直後から爆発的に売れ始め、あっという間にグローバルで年産40万台を超えるMAZDAの稼ぎ頭に成長した。SUVとしては抜群な操縦性に加え、北米市場では、SUVが苦戦するIIHS(衝突安全テスト)のスコアも良好でユーザーは保険料が抑えられるというシビアなメリットもあるようだ。日本市場でもハリアーやエクストレイルのモデル末期にあたる2012年に登場したタイミングも良かったし、ディーゼルエンジンとともに登場し、豪快な加速が新鮮だった上に、リーマンショックによる買い控えから脱して再びクルマが売れる局面だったことも幸いした。メーカーも自画自賛したくなるくらいに初代CX-5の登場は完璧だった。
方針が変わりすぎ!?
ラッキーが重なったけども、世界的に売れたことでMAZDAはSUVに自信を持ったことだろう。ミニバンは鳴かず飛ばずで、アクセラやアテンザといった王道ミドル車がこれまでブランドを牽引してきたMAZDAは、「走り」と「操縦性」にこだわるブランディングを行なってきた。しかしまさかたった1台の大ヒットSUVの登場で、「ディーゼルエンジン」「AWD」「オーディオ」「インテリア」「シート」「運転支援」「ヘッドアップディスプレイ」「アップル・カー・プレイ標準ナビ」などをセールスポイントしたこれまでとは方向性が異なるブランドに変貌してしまった。そりゃネットのコメント欄が荒れるのも無理ないな・・・。