不可抗力
GGアテンザにとって幸運だったことに、2002年当時のMAZDAにはEセグメントのサルーン(ミレーニア)がラインナップされており、セカンドグレードのスポーティなモデルとして伸び伸びと楽しいクルマ作りができた。レクサスでいうところの「IS」みたいな立ち位置からスタートできた。GHアテンザはGGのシャシーを受け継いでいるが、ミレーニアが廃止されたためにDセグながら「フラッグシップ」にふさわしいクルマ作りが意識されたらしい。しかしスポーツセダンの素性はすぐには隠すことができず、前期GHアテンザの後席の乗り味は非常に硬かったようだ。
仕組まれたストーリー
後期GHではハンドリング変更、直噴化、軽量化と共にしなやかな足回りを使いこなすモデルに進化した。MAZDA本には度々書いてあるけども、MAZDAにとっての近年の大きなターニングポイントは「2010年頃」だそうだ。GHアテンザだけでなく、プレマシーもミニバンらしからぬハンドリング性能を実現し、後期プレマシーは伝説のクルマとされている。後期GHアテンザの流れを受け継ぎつつも、G系シャシーを放棄し、新たにB系とG系を合流させた「スカイアクティブシャシー」が採用されGJアテンザ(現行)へとモデルチェンジを果たした。10年経ってスポーツセダンの面影は残しつつも、MAZDAの求めるフラッグシップとして一気に進化した。