15台目
日産スカイライン
合計34点
作り込み8 フィール7 静粛性7 デザイン5 コスパ7
セダンではない!?
スカイラインを他のセダンと比べるのは少なからず違和感がある。このクルマは「セダン」「スポーツセダン」「スポーツカー」のどのカテゴリーからもズレた「スカイライン」という分類がふさわしい。ちょうどポルシェ911が他のスポーツカーと比較できないのに近い。スポーツセダンとは軽量化が正義でハンドリングマシン化されたセダンを指す。BMW・M3などは必死で軽量化をアピールしているけど、スカイラインやGT-Rにとっては軽量化は優先事項ではない。福野礼一郎や沢村慎太朗といったレベルの自動車ライターでも「軽さは正義」とか軽薄なこと書いてますけど、日産に言わせれば「軽さ」とは「技術力が足りないメーカーが用いる安易な方法論」なのだろう。
どこへ向かうのか!?
4枚ドアのセダンをいくら軽く仕立ててもMAZDAロードスターのようなウルトラハンドリングマシンにはならない。スカイラインが存続する以上は、「軽さ」とは全く別の方法論で「走りの価値」を表現する必要がある。現行スカイラインは「ステアバイワイアー」を搭載して登場したので、乗りに行ったが1700kgを超えるボデーが、1400kg級のスポーツセダンのように軽々とターンして、日産が意図した狙い通りにクルマが進化している。1989年に登場した世代から、500ps以上に耐えられる高剛性設計が受け継がれてきた。当時の水準を考えればイタリアのスーパーカーやドイツのスーパースポーツをスペックで軽く超える世界最強の量産車シリーズであり、2007年発売のGT-Rもその性能に疑いの余地はない。高級サルーンくらいの重量があるので落ち着いた乗り味を出しているけども、中身はガチガチのドライバーズセダン。現行モデルも唯一無二な存在だ。