トヨタが認めるメーカー
今でもメルセデスやBMWなど自動車メーカーの都合で作られたヒエラルキーでクルマを「選ばされている人」はたくさんいる。「いつかはクラウン」的なビジネスモデルがまだまだ有効だと思っているのだろう。しかし世界でも高齢化がもっとも進んでいる部類の日本では、すでに「人生を選ぶ」時代へと転換していると、日本メーカーのマーケティング部門はしっかりリサーチしている。情報化でクルマの機能性は簡単に丸裸にされてしまう。他社との比較で優位に立つ設計という意味でMAZDAとPORSCHEは頭一つ抜けている。トヨタもそれを認めている。ポルシェのSUVのようなデザインをまとった新型レクサスNXの公式ユーチューブ動画がこれまでのモデルとは随分に様変わりした、なんだかMAZDAのプレゼン動画に似ているんだよな・・・。
新しい波が来ている
トヨタは「選ばせるクラウン(セダン)」から「選ばれるクラウン(SUV」へと転換しようとしている。RAV4もハリアーも従来のヒエラルキーを無視して、独特の世界観を尊重した「趣味のクルマ」になろうとしている。豊田章男社長はあらゆるところで「MAZDAの商品開発に心を撃たれた」と発言している。部分最適化された「技術」の話ではなくて、クルマをトータルで作り上げる方法論が世界で最も優れているという趣旨のことも言っている。そしてプレミオ、マークXをおもむろに廃止した。ヒエラルキーこそがクルマをトータルで作り上げる方法論には害でしかないと感じたのだろう。ルーミーとアルファードが並列して個性を競う。くだらないヒエラルキーでお互いのユーザーにネガティブな感情を与えてはいけない。人生ってそんなに暇じゃないから。