日産は日本社会に問いかける
ちょっと偏見もあるかもしれないが、高齢者を中心に「EVシフト」には懐疑的な人が多いだろうし、MAZDAの直6、スカイラインやフェアレディZの登場で鬱屈した気持ちになるのかもしれない。EVシフトで日本の失業率は一時的に上がるかもしれないし、MAZDAや日産のみならず全てのメーカーのクルマの価格が高水準なものになるかもしれないが、それは「部分的問題」に過ぎない。高すぎる失業率や高すぎる商品価格は社会全体が有機的に調整して、中長期的に解消する方向で動く。それと同時に日産の6気筒モデルを日本の多くの人が高いと感じるようならば、それがきっかけで「賃上げ」というラディカルかつフレキシブルな日本の社会構造の変化をもたらすことだろう。現実には高級車においてグローバルで一番ブレない価格設定をしているのが日産なのだから。
そして「あのメーカー」を潰す
スカイラインの主な販売先である北米インフィニティも完全BEV化が発表されている。今回のフェアレディZへのVR30DDTTの搭載により、北米日産チャンネルにおける「栃木車」の販売継続に道筋がつけられた。スカイラインも日産ブランドへ「移籍」しての生き残りが期待される。日産がBEVもエンジン車も伸び伸びと高いレベルで作った結果は、BEVとエンジン車の今後に大いに影響を与えそうだ。フェアレディZの反響によってはポルシェがエンジン車への回帰を宣言するかもしれないし、アリアが非スポーティなエンジン派・HV派を納得させてしまうかもしれない。BEVとエンジンの両翼に「フルフラット」に思える今年6月の2車同時発売がどういう演出なのかわからないけど、もしかしたらデザインをパクっていった某日本メーカーの新たな「船出」を盛大に潰そうと密かに画策しているんじゃないか!?