300万円超の国産車をどう売るか!?
某メーカーの担当者が言っていたが、トヨタ、日産、ホンダなどが「マスを追うメーカーの末路」という袋小路に陥ることは以前から予想されていた。フェラーリがまだまだ初代NSXの射程圏内に留まっていた90年代ならば日本の大衆車メーカーがイタリアンスーパーカーを彷彿させるエモい作ることもありえただろうけど、そんな幸せな時代はとっくに終わった。
日産もホンダもそれぞれポルシェやフェラーリをターゲットにすることを諦め、今度は業界の巨人トヨタに強烈な一撃を見舞う「ヒット車」作りだけしか興味がないようだ。状況は刻々と変化し、このままトヨタの天下が続かないだろうことは誰にも予想できるし、そのタイミングで新しい受け皿として成長していくために雌伏の時を過ごしている。
トヨタではなく、日産やホンダのコンパクトカー、ミニバン、SUVを選んだユーザーに訊いてみると、「基本性能は間違いなくトヨタより上」というところを積極的に評価していることが多い。確かにe-POWERの加速性能はわかりやすいし、1.5L自然吸気で129psを捻り出すVテック(フリード、ヴェゼル)や、1.5Lターボで180psのVテックターボ(シビック、ステップワゴン)も満足度が高い。
クルマに興味がある人が少ないとされる日本市場で、トヨタよりもスペック面で有利に展開する。決してメチャクチャ速いクルマではなく、実用的で魅力的なスペックがきらりと光る機能に資本を投下する。しかしシビック、CR-V、新型エクストレイルは本体価格で300万円を超えてしまう。カーセンサー・エッジを見る限り300万円あれば、過度に中古感が出ないくらいのアウディやメルセデスが豊富に在庫がある。機能よりも見栄の国民性を理解した上でもう少しアイディアが必要だ。