トヨタ車の欠点
カローラやカローラクロスを、ある程度の割り切りで200万円台前半に価格を抑えるトヨタの戦略は絶妙だ。巧みにユーザー心理を掴んでいる。ノートの価格でカローラが、ヴェゼルの価格でカローラクロスが手に入る。BセグとCセグを乗り比べて、Bセグの方が上質なんてことはそうそう起こらない。フィットとシビック、MAZDA2とMAZDA3には歴然たる差がある。
先代エクストレイルのベースモデルは200万円代前半だった。それが新型では320万円がスタート価格である。オールe-POWERであるし、同等の車格の日本車SUVと比べても特段に高いわけではない。RAV4やハリアーの廉価版エンジンモデルのモタつく感じが嫌であれば、かなり有力な代替車種になり得る。
平均的な日本人の可処分所得からしてみたら、RAV4やハリアーでもかなりギリギリだ。トヨタは厳しい日本の状況を考えてハリアーを徹底してコストダウンして300万円を切る価格に設定した。先代エクストレイルや初代CX-5が200万円代前半の価格で先代ハリアーを叩きのめした結果を受けてのシビアな判断だったと思う。
CX-5もエクストレイルも徐々に価格が上がり、販売台数はそれほど目立たなくなってきた。トヨタがKプラットフォームを使って「戦略的」にRAV4とハリアーを仕立てて、Cセグのシャシーを使うCX-5やエクストレイルに対して優位に立つ構図を描いた。トヨタの北米戦略を支えるシャシーなので、そりゃいいクルマになるのは予想できる。これに2.5L自然吸気&トルコンATならば良かったが、これはレクサスNXで導入されている。