良いクルマだけど・・・
5代目VWゴルフと初代MAZDAアクセラが大ヒットしてから20年も経っていないが、この2台の現状での存在感は思った以上に消えつつある。やはり現実逃避のためのクルマというコンセプトが不健全過ぎるのだろうか。
ちょっと乗ってみればわかるけどVWゴルフもMAZDA3も「運転に没頭する」という意味では極めて完成度が高いクルマだとわかる。現実逃避したままずっと帰ってこれなくなるかもしれない。スポーティに低い着座位置と、やたらとフラットな乗り心地が「個性」であり、その上に運転しやすさ、受動安全性、静粛性という基本性能は全市販車の中でもトップレベルに位置する。
売れない理由を探すなら、Cセグという車格の中大きく見せないデザイン、やや高価になりつつある価格くらいだろうか。他には・・・「ちょっと暗いイメージ」がある。ウインドウが小さい。包まれ感がテーマなのだから仕方ないことだけど、売れている軽自動車、ミニバン、SUVはことごとく「解放感」が魅力なのに対して、スポーツカーでもないのに「引きこもり系」だ。これだけで昭和から平成初期のクルマを連想してしまうかもしれない。
昭和の終わり頃に彗星のごとく現れて、米国や欧州の常識をことごとく変えていっメーカーがあった。いうまでもなくアコードやシビックを世界に放った「ホンダ」だ。その中でも欧州COTY日本製中型車として初めて結果を残したプレリュードのインパクトは大きい。「引きこもり系」の先駆的存在にして、アウディTTやVWシロッコ復活など欧州メーカーにスペシャルティカーを作らせるきっかけとなったクルマと言える。