新型エクストレイルの売り方
日産からe-POWER専用モデルになった新型エクストレイルが発売された。従来モデルからの価格の変動が大きくなることもあってか、ノートと同じように、先代モデルを当面は併売する方針のようで、じわじわと電動モデルを定着させ市場全体の主導権を握ろうと画策している。
私のようなMAZDAユーザーからしてみたら、「e-POWER」は高速巡航によるロングツーリングが苦手だから「クルマとして不完全」だと思ってしまう。しかしエクストレイルは先代がCVTモデルだったので、元々長距離を好んで走るユーザーが選ぶモデルではない。併売する理由は、用途の違いではなく、やはり価格上昇に対する警戒感だろう。
自動車情報サイトのコメント欄でクルマ好きが好き勝手に理想を叫んだところで、街中で見かけるクルマは200万円くらいで手に入る新車・中古車がほとんどだ。先日も国道1号バイパスを何気なく走っていると、まだトヨタ車が4速ATを装備していた時代(セリカやアルテッツァの頃)のモデルを大事に乗っている人が結構目立っていた。最近のクルマは価格の割に魅力が・・・。
CVTばかりになってしまったトヨタ、日産、ホンダの現行モデルは、10年以上前のクルマを乗り続ける人々にとっては、乗り換え候補として視界に入ってすらいない可能性がある。本体価格はミニマムに、モード燃費はマックスに、そんな「量計バリュー」なクルマ作りを20年以上も続けた結果の弊害だ。トヨタの販売はダイハツ製モデル頼みになり、ホンダや日産も北米向けモデルの中上級モデルを日本で売ることに苦戦している。