偉大なる脇役
クラウン・クロスオーバーや新型エクストレイルも、先代モデルから見ればまるで別のクルマというくらいに大きく変化している。しかもどちらもトヨタ、日産でないと買えないオンリーワンのパワーユニットを搭載している。一足飛びのBEV化とは行かなかったようだが、現状で考えられる環境性能を目一杯に詰め込んでいる。
強力なモーターを搭載しているのでBEVのような加速もするし、充電時間を気にするような使い方における気掛かりな点もない。全世界の自動車メーカーにおいても、クラウンとエクストレイルのような「夢のクルマ」は存在しない。しかし日本カーオブザイヤーではこの2台は脇役になるのだろう。
BEVはどう評価するの?
今回の「10ベストカー」(11台ある)の中で、3台がBEV(サクラ、iX、IONIQ5)だ。クルマ好きの間でもエンジン車、BEVと大きく好みの分断が進んでいるようで、もはやエンジン車の未来は潰えたのだから、この3台から選ばれればいいという意見もあるだろう。そんな中で、この3台を全て0点にする度胸のある審査員は一体どれくらいいるのか!?これが今回の日本COTYの最大の見どころか。
環境性能と走行性能および使用環境を考えた現状の最適解と認知されている「ストロングハイブリッド車」がクラウン、エクストレイルとルノー・アルカナの3台となる。ここに軽自動車のアルトを加えた4台は、今の日本の個人所有向け自動車の屋台骨ではあるのだろうけど、プリウスに肩を並べたルノーと、旧態依然な軽自動車を他のクルマより優先して評価するのはちょっと気が引けそうだ。